滋賀・中沢移籍で弥生期の大型建物跡発掘 近畿地方で最大

滋賀県栗東市教育委員会は9月5日、栗東市から草津市にまたがる中沢遺跡で、弥生時代後期前半の大型掘っ立柱建物跡が見つかったと発表した。建物規模は東西8.9m、南北4mで面積は35㎡を超え、同時期としては近畿地方最大という。
調査した栗東市出土文化財センターによると、建物跡は住宅建設予定地で見つかり、当時は共同の集会所や倉庫などとして使われていたと推測される。
今回の大型建物跡は、弥生期後期前半という空白期間を埋める手掛かりになるという。弥生土器や石器なども見つかった。

藤原京跡で出土の木簡に「九九」早見, 一覧表の一部か

奈良文化財研究所が2001年に行った藤原京(所在地:奈良県橿原市、694〜710年)跡の発掘調査で、出土した1万3,000点近くの木管の中から掛け算の「九九」の計算が記されていたことが分かった。専門家は役人が徴税の計算などに使った最古級の早見表、九九の一覧表の一部と考えられるとしている。
長さ16cm程度、幅1cmほどの木管を赤外線を使って調べたところ、上から「九々八十一(くくはちじゅういち)」「四九●六(しくさんじゅうろく)」などの数字が記されていた。これらの数字の並びについて、中国で見つかった木簡の「九九」の一覧表なども参考にしたうえで、同研究所が考えた「5行・8段」の一覧表に当てはめると並び方が一致した。

東京タワー来場者 開業66年で累計1億9,000万人に到達

東京タワー(所在地:東京都港区)の来場者が9月4日午前、累計1億9,000万人に達し、記念式典が行われた。節目の来場者となったのは米国・シアトルから日本を訪れたトビー・トングさん(34)とラウレル・トングさん(33)の夫婦で、記念品や花束を受け取った。
東京タワーは1958年、高さ333mの電波塔として開業、今年で66年を迎え、国内外から多くの観光客が訪れている。

兵庫・丹波篠山で発掘の恐竜化石 新種の「角竜類」と判明

兵庫県立人と自然の博物館と岡山理科大などの国際研究グループの調べによると、兵庫県丹波篠山市のおよそ1億1,000万年前の地層から見つかった恐竜の化石が「角竜類(つのりゅうるい)」という草食恐竜の新種であることが分かり、発掘された場所にちなみ「ササヤマグノームス・サエグサイ」と名付けられた。
化石は、頭に角などがある角竜類の仲間の「ネオケラトプス類」のもので、同研究グループによると、骨の細部にほかのどの角竜類にも見られない特徴が複数確認されたことから、新種で「種」の上位にあたる「属」のレベルでも新しいものであることが分かった。

京都・二条城 本丸御殿 耐震補強後18年ぶり一般公開

耐震補強などの工事が行われていた京都市の世界遺産、二条城(所在地:京都市中京区)本丸御殿の一般公開が、9月1日から18年ぶりに始まった。同御殿は明治27年に京都御所近くにあった桂宮家の御殿を移築したもので、国の重要文化財に指定されている。2017年から耐震補強などの工事が行われていたが、昨年度工事を終えた。
その結果、今回お披露目された本丸御殿のふすまや壁は230点余りの障壁画で彩られ、御書院は部屋の装飾に金箔が貼られている。1日は事前に予約した15人ほどのグループが、障壁画などに一つひとつ、ゆっくり足を止めながら鑑賞していた。

12企業・団体の「未来の都市」パビリオンの展示内容発表

2025年大阪・関西万博で国内12の企業と団体が取り組む「未来の都市」をテーマにしたパビリオンの展示内容が発表された。このパビリオンは気候変動など地球規模の課題を解決しながら、誰もが幸せな暮らしを実現できる未来の都市がテーマ。会場でも最大規模の4,800㎡の延床面積に、実施主体の博覧会協会と12の協賛企業などがプレゼンテーション展示を行う。
日立製作所とKDDIは、持続可能な社会に向けた取り組みを行わなかった場合の2035年に生きる10歳の少年から”SOS”を受け取ったという設定の映像を上映するシアターを設ける。そこで来場者がスマートフォンなどを使って、今できる取り組みを選択していくことで、未来がより良い方向に変わることを体験してもらうコンテンツを展示するという。商船三井は船の帆で受けた風で船底のタービンを回し、そのエネルギーで水を分解して水素を生産し、運搬もする未来型の船の模型を展示する。