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葛飾北斎の晩年期の肉筆画新たに2点確認「富士見西行図」「藻魚図」

葛飾北斎(1760~1849年)の肉筆画が新たに2点確認された。「富士見西行図」(1848年)とメバルを描いた「藻魚(もうお)図」(1847年)の2点だ。晩年期の色紙サイズの作品。西行図は3年ほど前に米国で発見、藻魚図は今年、国内で存在が明らかになった。いずれも軸装で、現在は個人が所蔵している。筆致や落款などから北斎の作品で間違いないという。

姫路城が英ウェールズのコンウィ城と姉妹城に、市民交流へ

世界遺産の姫路城が、イギリス・ウェールズの同じ世界遺産のコンウィ城と姉妹城として提携し、市民交流を深めていくことになった。今回の提携はウェールズ州政府からの働きかけで実現し、兵庫県の姫路城の西の丸でこのほど提携式が行われた。             コンウィ城は築城700年、姫路城は築城400年で、ともに地元のシンボルとして美しい姿を残している。姫路城はすでにフランスのシャンティイ城と姉妹城の提携をしており、コンウィ城は2つ目の姉妹城となる。

沖縄「首里城」で火災「正殿」「北殿」全焼、城内へ延焼

沖縄県那覇市の首里城から10月31日未明、出火し、城の中心的な建物の「正殿」と「北殿」が全焼した。また、城内にある他の建物にも次々と燃え広がっているという。消防によると、これまでのところけが人などの情報は入っていない。                                           首里城では10月27日から琉球王国時代の儀式を再現する「首里城祭」というイベントが開かれていて、31日未明まで開催予定の催しの準備が行われていた。                         首里城は琉球王国時代のおよそ500年前に建造され、昭和8年に国宝に指定されたが、太平洋戦争中の沖縄戦で焼失した。平成4年に「正殿」が復元され、その後ほかの建物も順次復元され、平成12年に城跡が、県内にある城の跡とともに「世界遺産」に登録されている。

日本初の長編アニメ「白蛇伝」の制作資料見つかる 東映アニメ

日本初の長編カラーアニメーション映画として61年前に公開された「白蛇伝」の絵コンテなどの資料が、京都市右京区の東映太秦映画村で見つかった。専門家は草創期のアニメの制作過程が分かる貴重な資料だとしている。                                                        白蛇伝は東映動画、現在の東映アニメーションが昭和33年に公開した、日本で初めての長編カラーアニメーション映画。見つかった資料は、アニメーターがキャラクターの立体感を考える際に使われたとされる粘土模型4体や、全体の構成を指示する絵コンテの第1稿などおよそ40点。これらの資料の一部は11月4日まで京都文化博物館で展示されるほか、今後、東映太秦映画村でも展示される。

秋の都大路彩る京都「時代祭」 歴史絵巻に6万人余の見物客

10月22日の「即位礼正殿の儀」と重なるのを避け、今年だけ例外的に26日に日を変えて、京都三大祭りの一つ「時代祭」が行われた。王朝の平安時代から武家政権時代、そして明治時代までのそれぞれの時代を象徴する装束に身を包んだおよそ総勢2,000人の行列が、京都御所から平安神宮までのおよそ4.5kmの都大路を練り歩いた。           行列は明治時代の鼓笛隊や官軍を先頭に、時代を遡る形で歴史上の人物が登場。維新への扉を開くのに重要な役割を果たした坂本龍馬、色鮮やかな十二単を身に着けた皇女和宮、さらには織田信長などが次々に登場し、沿道では昨年より多い6万人余りが、この華やかな歴史絵巻を楽しんだ。

令和最初の「正倉院展」初出展4件含む41件の宝物出展

奈良時代の聖武天皇ゆかりの宝物を集めた「第71回正倉院展」が10月26日から始まった。令和で最初となる今年の正倉院展には初出展の4件を含む41件の宝物が出展され、11月14日まで奈良市の奈良国立博物館で開かれている。                                       今回の展示で興味深いのは革製のくつ、「衲御礼履(のうのごらいり)」だ。これは聖武天皇が大仏開眼法要の際に使用したと推測されるもの。表面には赤く染めた牛の革が、内側には鹿の革が用いられ、真珠や水晶などでつくられた花形の飾りがあしらわれている。また、「紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)」は、香をたくのに使う道具で、獅子の形をした飾りが取り付けられており、器の側面には植物や蝶の文様など豪華な装飾が施されている。