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リュウグウの試料から「多量の水」海の起源の謎解明へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や北海道大などのチームが、6月9日付の米科学誌サイエンス電子版に、「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料に、多量の水が含まれていたとする分析結果を発表した。地球の水は太古に小天体が衝突してもたらされたという説があり、海の起源の謎を解明する鍵になる可能性がある。
チームは採取された砂や石の化学組成を精密に測定。主な成分は水を含む粘土鉱物で、ほかに炭酸塩鉱物や硫化鉄なども含んでいた。水は質量比で全体の約7%を占めた。液体の水ではなく、ほとんどが酸素と水素の原子が結合した水酸基(OH)の状態で存在していたが、水分子(H2O)も確認された。
リュウグウは約46億年前の太陽系の誕生から間もないころにできた小天体が壊れてできたと考えられている。小天体に約40度の水があったとすると、これらの鉱物ができた理由がうまく説明できるという。

岐阜の1,800万年前の地層でゾウの近縁の化石発見

岐阜県瑞浪市化石博物館は6月5日、同市の約1800万〜1700万年前の地層から、ゾウに近い動物に分類され、水中に生息した「束柱類」の可能性がある動物の化石を発見したと発表した。背骨や腰などの地層表面でつながって見つかり、状態も良いという。
束柱類は円柱を束ねたような歯が特徴で、約2800万〜1000万年前に生息していた。

唐招提寺御影堂で落慶法要 保存修理事業が完了

世界遺産、奈良市の唐招提寺で6月5日、重要文化財・御影堂(みえいどう)の落慶法要が行われ、関係者ら約20人がおよそ6年にわたった保存修理事業の完了を祝った。6日、7日には国宝・鑑真和上坐像の開帳と併せて、日本画家、東山魁夷が手掛けた襖(ふすま)絵などの特別拝観が予定されている。
御影堂は中国・唐代、日本に戒律を伝えるため、艱難辛苦を乗り越えて来日した高僧、鑑真の国宝像を安置するお堂だが、建具の不具合や雨漏りなど老朽化が進んだため、2016年から調査・修理が行われていた。御影堂での鑑真像の開帳は7年ぶり。今回は事前予約した約500人が拝観する。

「木簡」研究で奈良文化財研究所が中国と協力

奈良文化財研究所は、文字が書かれた木の札、「木簡」の研究で中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院の研究所と協力していくことになった。両研究所では今後、研究成果や研究方法の共有、それに人材育成などで協力していく。
木簡は、平城京の遺跡などから大量に出土し、奈良時代当時、政治を行う際のメモ書きや連絡などのため使用されていたことが分かっている。中国でも木簡にあたる簡●(*片へんに、責)の研究が盛んで、日本の木簡はこれが元になっているとされている。

3年ぶり「相生ペーロン祭」長崎から伝来100周年

中国由来の木造手漕ぎ舟「ペーロン」の速さを競う「相生ペーロン祭」が5月29日、兵庫県相生市で2019年以来3年ぶりに開催された。今年はペーロンが長崎県から相生市に伝えられて100周年を記念する大会となった。
兵庫県内外から企業や自治体、高校生ら39チーム が参加。それぞれ全長約13m、32人乗りの舟、ペーロンに乗り込んで銅鑼(どら)や太鼓の音を響かせ、勇ましい掛け声を上げながら、レースを楽しんだ。2020年、2021年は新型コロナウイルス禍で中止された。

平安時代の歌人 在原業平の命日にゆかりの寺で法要

平安時代を代表する歌人、在原業平の命日にあたる5月28日、ゆかりの京都の寺で法要が営まれた。
京都の十輪寺(所在地:京都市西京区)は、在原業平が晩年を過ごしたと伝えられ、「なりひら寺」とも呼ばれている。昨年に続いて、新型コロナの感染対策として、会場を本堂に限って実施された。
法要では、寺の法主が三味線を奏でながらお経を唱えた後、業平の和歌を詠みあげた。そして、紫の衣装に薄緑色の上着をまとった舞手が、お経に合わせて平和を祈って舞を披露した。