奈良の秋の風物詩「シカの角切り」が10月8日、奈良市・奈良公園の鹿苑(ろくえん)で行われた。新型コロナウイルス禍でシカの角切りが公開されるのは3年ぶり。9、10日も公開される。
成長し長く伸びた角に縄をかけようと追い込む勢子(せこ)衆と、人の背丈ほども飛び跳ね、逃げ回るシカとの迫力あるシーンに訪れた観客から歓声が上がった。
シカは秋に発情期を迎え、気が荒くなり攻撃的になる。その際、不意に近寄る人を、成長した角で襲い、傷つけることを防ぐために、江戸時代初期から約350年続く恒例行事とされている。勢子は、角に縄を引っ掛けて押さえ付けたシカの角を、のこぎりで素早く切り落としていた。
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福井・一乗谷「朝倉氏 遺跡博物館」10/1オープン
戦国大名、朝倉氏とその本拠地の城下町の栄枯盛衰を出土品などから体感・学習できる「一乗谷 朝倉氏遺跡博物館」(所在地:福井市)が10月1日、開館した。同施設は、福井県が2024年春の北陸新幹線敦賀延伸開業を控え、観光振興に向けて整備を進めてきたもの。
一乗谷は最盛期には1万人が居住する、地形上、”難攻不落”の大規模な町だったとされる。だが、朝倉氏が織田信長に敗れ焼き払われ、隆盛を誇った戦国時代有数の城下町は表舞台から姿を消した。
ところが、半世紀を超える遺跡の発掘調査で、戦国期の城下町遺構がそのままの姿で表れ、一帯の278haが国の特別史跡に指定されている。
同博物館では数多くの出土品などから厳選した約800点が展示される。朝倉家5代当主、義景の居館の一部を原寸大で再現している。このほか、町並みの巨大ジオラマや川湊「一乗の入江」の石敷き遺構の露出展示もある。
東北大,JAXA「りゅうぐう」試料に水を確認
東北大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは9月22日付の米科学誌サイエンスで、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などの試料に水が含まれているのを確認したと発表した。
研究チームは大きさ1〜8ミリの砂粒17個を分析。内部構造や鉱物の組成、硬さなどを詳細に調べたところ、試料内の硫化鉄結晶に微小な穴があり、内部に水が閉じ込められているのが見つかった。成分に塩や有機物のほか、二酸化炭素(CO2)が含まれる「炭酸水」で、りゅうぐうの元となった母天体の内部で硫化鉄の結晶が形成された際に取り込まれたと分かった。
地球外で採取された試料から、常温で水が液体となる状態で見つかったのは初めてといい、地球の海の起源解明などにつながる成果と期待される。