京都市埋蔵文化財研究所が行った発掘調査およびその報告書によると、平安京の天皇が暮らす「内裏」のうち、皇后らが住む「登華殿」の一部の柱の穴が見つかったことが分かった。平安時代の内裏の建物跡が確認されたのは初めてという。
報告書によると、建物の柱の穴が5カ所見つかり、江戸時代に記された文献と照らし合わせたところ平安京の天皇が暮らす「内裏」のうち皇后らが住む「登華殿」の跡だと分かったという。さらにこの穴は、およそ1mから2m四方の掘っ立て柱の穴で、この建物の形状が縄文時代のころからの建築様式で、中国の様式が好まれた平安時代初期になっても、古くからの様式を採用していたことが判明したとしている。また、柱の穴の間隔はおよそ3mあり、文献に基づくと南北27m、東西12mの建物だと推測できるという。
fujishima のすべての投稿
法隆寺金堂壁画27年ぶり公開 10日から事前申し込み限定50人
奈良・菅原遺跡で発見の円形建物跡 CG復元案4種類発表
大阪城の天守閣再建から90年 他自治体関係者迎え記念式典
世界遺産 白川郷で恒例の放水訓練 錦秋の合掌造りに水柱
江戸時代の人々も歯周病 現代とは異なる細菌が原因
東京医科歯科大学の研究グループによると、江戸時代の人々も細菌への感染で歯ぐきや歯を支える骨が溶ける歯周病にかかっていたとする研究結果を、スイスの分子生物学の雑誌に発表した。
これは、東京都江東区の深川付近で発掘された江戸時代後期の人骨をCTスキャンなどで解析したもので、付着していた歯石を調べると、歯周病の原因の細菌は現代とは異なることも分かったという。人骨12体のうち5体で、あごの骨の一部が溶けていて、歯周病にかかっていた。また、骨に付着していた歯石に含まれるDNAを解析したところ、24種類の細菌がいたことが分かり、このうち17種類は現代人の口の中でも見られるものだった。
しかし、現代人で歯周病の原因となっている細菌は、江戸時代の人の歯石からは1種類も検出されず、研究グループは口の中の細菌の環境は現代とは異なり、当時の人々は他の細菌によって歯周病になっていたとみられるとしている。

