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遠藤周作の未発表戯曲3作品見つかる「日本人とキリスト教」

長崎市遠藤周作文学館は12月28日、作家、遠藤周作(1923~1996年)の未発表戯曲3作品の原稿が見つかったと発表した。潜伏キリシタンを描いた小説「沈黙」などと同様、いずれも同氏がテーマとした「日本人とキリスト教」について描かれており、遠藤文学の”中核”部分を伝える作品とみられる。
今回見つかったのは「善人たち」(清書原稿124枚、草稿25枚)、「戯曲 わたしが・棄(す)てた・女」(清書原稿105枚、草稿22枚)、「切支丹(きりしたん)大名・小西行長『鉄の首枷(くびかせ)』戯曲版」(清書原稿117枚、草稿28枚)。「善人たち」以外は、同氏は小説を発表している。
同文学館では昨年、同氏の未発表の中編小説「影に対して」の原稿が見つかっており、遺族からの寄託資料を再調査したところ、3作品が未発表と分かった。未発表の理由は不明。いずれもタイトルはなかったが、出版が決まったため遺族らでつけたという。

京都・知恩院で僧侶30人で「除夜の鐘」の試しづき

京都の知恩院(所在地:京都市東山区)で12月27日、大晦日を前に僧侶およそ30人が集まり、「除夜の鐘」の試しづきが行われた。知恩院では毎年、大晦日に高さが3mある大きな釣り鐘をついて新年を迎える。知恩院の除夜の鐘は「しゅもく」と呼ばれる長さ4mの棒に、いくつもの縄を付けてひく独特の打ち方で知られていて、掛け声がかかると16人の僧侶が一斉に縄を引く。
そして、別の一人が一気に縄にぶら下がるように仰向けの姿勢になって、勢いをつけて鐘をつく。すると、厳かで重厚な鐘の音が周囲に響き渡る。知恩院では感染対策のため、除夜の鐘をつく時間帯の参拝は事前に申し込んだ人に限定していて、今回はすでに定員の400人に達しているという。

文化審議会 佐渡金山を23年審査の世界遺産の推薦候補に選定

文化審議会は12月28日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦する候補に「佐渡島の金山」(所在地:新潟県)を選んだ。2023年に登録審査を受ける候補の推薦期限である2022年2月1日までに推薦書を提出するかどうかについて、文化庁は「政府内で総合的な検討を行う」としている。佐渡金山は「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の2つの鉱山遺跡で構成する。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇り、金の採取から精錬までを手作業で行っていた時代の遺跡が残っているのは世界的に例がないとされる。

岩手・陸前高田市で啄木の歌碑の除幕式 3度目の建立

岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で12月27日、歌人、石川啄木の歌碑の除幕式が開かれた。歌碑は高さ約1.8m、幅約2.2mで、啄木初の歌集「一握の砂」に収められている「頬につたふ なみだのごはず 一握の砂を示しし人を忘れず」が刻まれている。ひ孫の石川真一さん(56)が揮毫(きごう)した。
啄木の歌碑は2011年の東日本大震災の津波で流失していた。1960年のチリ地震津波でも流されており、今回が3回目の建立。啄木が修学旅行で訪れた縁で1958年に高田松原に歌碑が建てられ、今回は啄木の没後100年に合わせ記念事業実行委員会が再建を企画した。

京都・東寺 今年最後の縁日「終い弘法」正月用品求め賑わう

京都市南区の世界遺産、東寺で12月21日、1年を締めくくる2021年最後の縁日、「終い弘法」が開かれ、賑わった。主催者によると、新型コロナの影響で21日に出店しのは、例年の6割ほどのおよそ800店にとどまった。だが、境内には大勢の人が訪れ、正月を前に松飾りや漬物、餅などを買い求めていた。また、来年の干支(えと)、寅の置物などを扱う店もあり、縁起物の品定めをする人も含め、境内は師走の賑わいをみせていた。

ゾウの化石「アケボノゾウ化石多賀標本」国の天然記念物に指定

平成5年、滋賀県多賀町で見つかったおよそ180万年前の日本固有種のゾウの化石「アケボノゾウ化石多賀標本」が国の天然記念物に指定されることになった。文化庁によると、陸上の哺乳類の化石が国の天然記念物に指定されるのは初めてという。
この化石は頭部や体、足の部分と全身のおよそ7割がバランスよく見つかっていて、保存状態もよく、部位が特定されていない骨も含めると191点と、国内のゾウの化石の中でも群を抜いて多い。アケボノゾウは、日本の環境に合わせて独自の進化を遂げて小型化していて、「多賀標本」は行動生態や進化の過程を研究するうえで、学術価値が極めて高いと評価された。