「北前船」寄港地 関西7市町が協力観光PR
「北前船」の寄港地として文化庁が創設した「日本遺産」に認定された、関西の7市町が協力して歴史的な観光拠点としてPRしていくことになった。
江戸時代から明治初期にかけて日本の物流を支えた北前船。この寄港地だった全国38の市と町が日本遺産に認定されている。このうち関西で認定された大阪市や神戸市など7つの市と町は、今年10月から半年間、地元のガイドが案内しながら、北前船の歴史をたどる街あるきを企画するなど、協力して観光PRしていく。
西田幾多郎の未公開ノート50冊見つかる 独自哲学へ思索の軌跡
京都大学などはこのほど、「善の研究」などで知られる哲学者、西田幾多郎(1870~1945年)の未公開ノート50冊が見つかったと発表した。宗教学や倫理学と題した講義ノートなどで、「西田の生の思考過程をたどることのできる第一級の史料」(京都大)という。
これらは遺族から預けられたノート50冊とレポート類250点から見つかったもの。写真撮影して電子データ化。これまでにノート14冊分の内容を書き起こした。
これまでに分かっている範囲では東大の学生時代から、京大教授定年退職前後の数十年にわたる思索の軌跡が刻まれている。善の研究など独自の哲学を展開した西田だが、アリストテレスやカントなどの古典から、同時代のドイツの数学者や米国の心理学者にも言及し、幅広い範囲で他の研究者の思索に関心を払っていたことがうかがわれるという。
「適塾」で2戦役でたどる英才門下生たちの特別展
「適塾」の門下生たちが戊辰~西南戦争にどのように関わっていたかをたどる特別展が、大阪市中央区の「適塾」(史跡・重要文化財)で開かれている。6月10日まで。開館時間は10時~16時。入館料は一般260円、高校・大学生140円。
江戸後期に蘭方医・緒方洪庵が開いた適塾は、主に軍制と医療の双方に数多くの英才を輩出した。その門下生、大村益次郎や大鳥圭介は戊辰戦争で指揮を執り、大村は明治政府の軍制確立に大きな役割を果たした。高松凌雲と佐野常民は赤十字の「博愛主義」に基づき、戦地に赴いて傷病者の治療にあたっている。このほか、大老・井伊直弼が断行した「安政の大獄」で吉田松陰らとともに散った橋本左内や、明治以後、頑として官職に就かなかった福沢諭吉らも適塾出身だ。
展示は、国産初の蒸気船を完成させた佐野常民所蔵の化学書「舎密開宗(せいみかいそう)」、洪庵の次男、緒方惟準(おがたこれよし)が著した医学書「軍医須知」など24点を紹介している。
神戸で楠木正成しのぶ5年ぶり武者行列
南北朝時代の名将、楠木正成をしのぶ武者行列が5月26日、ゆかりの深い神戸市で5年ぶりに行われた。この武者行列は、神戸の「湊川の合戦」で南朝方の武将として足利尊氏率いる北朝軍と戦い、自刃した楠木正成をまつる湊川神社の行事「楠公祭」に合わせて、5年ごとに行われているもの。
楠公祭は、本殿で神事が行われた後、午前10時に豪華(?)な金の飾りを付けたかぶとやよろいで身を包んだ、楠木正成はじめ騎馬武者などに扮した地域の人たちが、神社を出発し街を練り歩いた。全長約1㌔㍍に及んだ行列には約700人と馬約30頭が参加した。沿道には多くの見物客が訪れ、その勇姿をカメラに収めていた。
正成は、本拠とした大阪・千早赤阪村に鎌倉幕府軍を迎え撃った戦いで、地理を熟知した知略・奇襲戦法で幕府軍を翻弄し、北条執権家の弱体化を世間に印象付けた。