正倉院 100年ぶり修理終え新たな姿に
宮内庁正倉院事務所(奈良市)は5月16日、約100年ぶりの大修理を終えた国宝・正倉院を報道陣に公開した。工事用に覆っていた素屋根が取り外され、2011年の修理開始以来、真新しくなった平成の正倉院が姿を現した。外観公開は11月に再開する予定。
適塾 再び「開校」耐震改修終え7カ月ぶり公開
江戸時代後期、蘭学者で医師の緒方洪庵が主宰し、大村益次郎、佐野常民、橋本左内、福沢諭吉らを輩出した私塾「適塾」(大阪市中央区)の耐震改修工事が終わり、管理している大阪大が5月14日、記念式典を開いた。15日から7カ月ぶりに一般公開されている。
適塾は木造2階建ての町家で、国の史跡・重要文化財に指定されている。改修工事は外見を変えないよう配慮し、壁の内部に鋼板パネルを組み込んだり、柱と梁を補強材で結合したりして、震度7の揺れにも耐えられるようにした。
適塾を管理する大阪大学の平野俊夫総長は記念式典で、「洪庵の精神を受け継ぎ、歴史的重要性を社会に示していきたい」とあいさつした。
ナスカにリャマの地上絵17点 山形大が確認
山形大は5月9日までに、世界遺産「ナスカの地上絵」で知られるペルーのナスカ市街地から北に約1㌔の近郊で、ラクダ科のリャマとみられる地上絵を少なくとも17点確認したと発表した。絵の内側にある地表の小石を面的に取り除く手法などから、紀元前400~同200年の間に描かれたとみられ、ハチドリやクモといった有名な地上絵よりも古いという。
地上絵は、当時から家畜として使われていたリャマの全身や一部が描かれ、最大のものは全長約15㍍。約1㌔四方の範囲で4つのグループに分かれている。このうち3つのグループの地上絵は初めて確認され、残る1つのグループは先行研究で存在が知られていたが、数や正確な位置が不明だったと説明している。