茶園広がる太閤堤再現へ 京都・宇治市が史跡整備
京都府宇治市が整備を進める国史跡・宇治川太閤堤跡で、堤を築いた後にできた砂州に茶園が広がっていた江戸後期の景観を再現する取り組みが始まった。同市兎道の三室戸小の5年生75人が茶の苗木を植えたほか、5月14日に予定されている植樹イベントでは「昔の茶園をつくろう!」をテーマに、一般から参加者を募集し、取り組みを盛り上げる。
絵図などに描かれた江戸時代の茶園は、現在のような列状ではなく、株と株の間隔が広く、一株ごとの島状に栽培されていた。勝和30年ごろまでは宇治市内でも多く見られたが、次第に姿を消し、現在ではほとんど残っていない。
宇治市は史跡整備の取り組みとして、発見された太閤堤を埋め戻した真上に、豊臣秀吉によって築かれた当時の堤を再現するとともに、茶園として利用された江戸後期の様子を再現する。茶園は約2300平方㍍。遺跡の壮大さを体感するとともに、歴史の流れを感じてもらえるものにしたいとしている。