季節外れの南岸低気圧がお膳立てした「桜田門外の変」
日本の南岸を低気圧が通過し、日本列島は前日までの陽気から一転、3月24日から冬型の気圧配置となり、東日本、西日本以西、中国、九州地方まで、寒気が南下してしばらく寒さが続く見通しだ。
同じようなことが今から156年前に起こっている。1860年3月24日、旧暦では安政7年3月3日はもっと寒く、南岸低気圧の通過によって江戸は季節外れの大雪に見舞われた。
この大雪の朝、徳川幕府の大老、井伊直弼(46)が江戸城に登城途中、水戸・薩摩藩士合わせて17名が桜田門外で襲撃、「桜田門外の変」が起きた。大老を警備していた彦根藩士たちはいずれも、季節外れの大雪のため柄袋で刀を覆っており、このため急襲を受けた彦根藩士たちは抜刀が遅れ、藩主の暗殺を許した原因の一つとされている。
東京でこんなに遅く大雪となるのは珍しいことだった。まさに大雪がお膳立てした歴史的事件だった。