薬師寺東塔で創建時の基壇を確認 構造の詳細判明
奈良文化財研究所などは2月26日、約110年ぶりの解体修理中の国宝・薬師寺東塔(奈良市、8世紀前半)の調査で、730年(天平2年)に建立された当初の基壇が確認されたと発表した。規模は東西13.3㍍、南北13.4㍍、高さ約1.3㍍で四方に階段を設け、切り石を周囲に配するなどしており、構造の詳細が初めて判明した。
東塔の発掘調査は2014年7月から実施。塔の中央を貫く心柱を動かしたうえで、基壇部分を掘り下げた。その結果、基壇は創建後、中世から明治時代に3回にわたって拡張されており、創建時の四方の規模は現在の一辺14.6~14.7よりも1㍍以上小さかったと判明した。一方、地面からの高さは後世にチ票面が上がったことから、現在の75㌢よりも大幅に高かった。