日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三名誉会長が11月5日、国際サッカー連盟(FIFA)会長選への立候補の意思を表明した。突然の出馬意思表明で、田嶋氏が強調したのは「インテグリティー(高潔さ)」という言葉。
この背景は、今年のワールドカップ(W杯)北中米大会(米国・カナダ・メキシコ)で、この高潔性、フェアで公正なプレーとは真逆なジャッジが堂々と行われた事態を憂えたもの。長い間、サッカー界が大事にしてきたはずの、ピッチの上での平等性が大きく揺らいだ。レッドカードを受けた米国選手の出場停止処分が猶予された。また、米国と対立するイランの選手は試合の直前まで入国が認められなかった。いずれも開催国の米国のトランプ大統領と親密な関係にあるジャンニ・インファンティノ会長が、トランプ氏の意向を受け忖度(そんたく)した結果だった。
田嶋氏は、こんなあり得ないこと、あってはならないことが堂々と行われたことに危機感を覚え、FIFA会長選への出馬の意思を固めたという。「勝つとか負けるとかではなく、日本サッカーが築いてきた高潔性をしっかりと世界に発信していかなければいけない。しっかりとしたガバナンス、そしてフェアで公正なFIFAに戻るべきだ」と力強く語った。
FIFAの会長選は2027年3月18日に行われる。立候補には5つな協会からの推薦が必要で、11月18日に届け出が締め切られる。再選を目指すインファンティノ氏に対し、これまで有力な対抗馬の名前は挙がっていない。田嶋氏は、FIFAとして「選挙を経ずに、あれだけの冒してはならないルール破りをした彼(インファンティノ氏)が再び会長の座に就くことが最もよくない」と話している。