高松塚壁画,古墳に戻さず 石室復元を事実上断念
文化庁は3月27日、奈良県明日香村の高松塚古墳(国特別史跡)の壁画保存問題で、国宝の極彩色壁画について、2017年度までかかる見通しの修理が終了した後も、当分の間は墳丘に戻さず、古墳の外で保存・公開するとの方針を決めた。保存する場所や方法などは、4月以降に検討する。
壁画は07年に石室を解体して搬出し、古墳近くで修理中。同庁は従来、かびなどの影響を受けない環境を確保して現地に戻す方針だったが、現在の科学技術では困難と判断。復元を事実上断念することになったもの。ただ、遺跡の現地保存の原則は堅持する考えを強調している。