福岡県古賀市教育委員会は10月31日、6世紀後半から7世紀初めの古墳時代後期の船原古墳で、馬の頭に付けるかぶと「馬冑(ばちゅう)」と馬上に旗などを立てる金具「蛇行鉄器」が出土したと発表した。いずれも極東アジアで流行した騎馬戦術で使われた馬具で、大陸の文化を伝える貴重な史料という。馬冑は鉄製で長さ50㌢、幅18㌢。完全な形で見つかるのは和歌山市の大谷古墳に続き2例目。蛇行鉄器は国内最多の3点が見つかり、最大のもので長さは約80㌢。人が座る鞍の後部に取り付けたとされる。出土した金銅製馬具を福岡県立九州歴史資料館(小郡市)がCTスキャンで分析した結果、ハート形の飾り金具に一対の鳳凰(ほうおう)が、馬の轡(くつわ)の金具に唐草文が透かし彫りされていることが分かった。船原古墳は直径約20㍍の円墳。