奈良県立橿原考古学研究所は10月24日、奈良市の興福寺旧境内で11世紀末(平安時代)の将棋の駒「酔象(すいぞう)」など4点が見つかったと発表した。現在、主流の将棋では使われない酔象の駒としては最古。過去の出土例を約250年さかのぼり、将棋の変遷を知るうえで貴重な資料となりそうだ。今回、井戸の遺構から「承徳二年」(1098年)と書かれた木簡とともに見つかった。長さ約2.5㌢、幅約1.5㌢、厚さ約2㍉の木製。表に「酔象」と墨書きされ、裏の文字は確認できなかった。僧侶や寺の関係者が指していたとみられる。酔象は真後ろ以外の7方向に1つ動けるのが特徴。