秀吉,家康の京都・伏見城跡の全域を調査 創建時の石垣確認
大阪歴史学会や京都府は、豊臣秀吉や徳川家康の居城だった伏見城跡(京都市)のほぼ全域を調査し、巨大な土橋や創建当初のものとみられる豪壮な石垣などを確認した。城跡は80万平方㍍(東京ドーム17個分)に及ぶ。伏見城と同じ場所に明治天皇陵が造営されたことから、遺構の大半は桃山陵墓地として立ち入りが規制され、研究が進んでいなかった。今回のように宮内庁が陵墓地でこれほど大規模な文化財調査を許可するのは異例。1592年、天下統一後の秀吉の権勢や高い築城技術を示す一級史料になりそうだ。
関係者によると、本丸と二の丸をわたる巨大な土橋(長さ約40㍍、幅約5㍍)や幅数十㍍の堀、天守の土台(一辺十数㍍、高さ約5㍍)など多数の遺構を確認した。各地の自然石を積み上げた秀吉時代に特徴的な石垣は高さ約7㍍、長さ約20㍍分が残っていた。花崗岩を割り出した徳川期とみられる石垣には長辺1.8㍍の巨岩が使われていた。