993年にも宇宙線急増 名大チームが屋久杉で確認
名古屋大・太陽地球環境研究所の増田公明准教授らの研究チームは4月23日付の英科学誌電子版に、地球に到達した宇宙線が993年に急増し、宇宙環境が大きく変化していたことを確認したと発表した。同チームは775年にも同様の現象が起きていることを明らかにしており、今回が2例目。2例とも太陽表面で起こる爆発現象の「太陽フレア」の大規模な発生により起きたものと推測している。
チームは樹齢1900年の屋久杉の年輪を解析し、取り込まれた炭素濃度を測定。その結果、宇宙線が大気と反応して生成され、太陽の活動周期の11年間で通常0.3~0.4%程度の変動しかない放射性炭素「炭素14」の大気中の濃度が、993年に0.9%高まったことを発見した。