米で発見の短刀は吉田松陰の形見 前橋市が確認
前橋市は幕末の英傑、吉田松陰の形見として伝わり、市に寄託された短刀が「総合的に判断して松陰のものと確認した」と発表した。
群馬県出身の実業家・新井領一郎が生糸輸出の販路の開拓で1876年に渡米する際、当時、初代県令の妻だった松陰の妹、寿(ひさ)が新井に贈ったものだという。この短刀は5月7日まで前橋文学館で一般公開されている。
短刀は柄(つか)と鞘(さや)を合わせて全長42㌢、刀身31㌢。もともとは室町時代につくられた槍で、後に短刀に改造されたとみられる。新井にひ孫で米カリフォルニア州在住のティム新井さん(57)が受け継いでいた。
短刀の存在は、新井の孫でティムさんのおばのハル・ライシャワー松方さん(元駐日米国大使夫人・故人)が1987年に出版した『絹と武士』の中に記述にあったもの。ただ、それがどこにあるのかはっきりとせず、前橋市が関係者にあたるなどして調べていた。