待賢門院堀河
※堀川は待賢門院璋子に仕えていた。
長からむ心も知らず黒髪の
乱れて今朝は物をこそ思へ
【歌の背景】この歌は「小倉百人一首」の中でも、恋の激しさと恋の不安とを詠んだ女性の歌で最も優れたものの一つといわれる。
【歌 意】あなたに末永く私を愛し続ける心があるのかどうか、私にはわかりません。お別れしたばかりの今朝は、寝乱れた黒髪のように私の心は思い乱れて悩んでいるのです。
【作者のプロフィル】神祇伯源顕仲のむすめで、初め前斎院白河皇女令子内親王に仕えて六条、後に鳥羽院中宮待賢門院しょう子に仕えて堀河と呼ばれた。康治元年(1142)の待賢門院の落飾に殉じて出家した。父も和歌に巧みだったが、彼女も女流歌人として第一級の実力者という名声を持っていた。