教育勅語の原本を50年ぶり確認 傷み激しく修復へ
文部科学省は4月8日、明治天皇が1890年に発布し、戦前の道徳教育の根本理念とされた「教育勅語」の原本を約50年ぶりに確認したと発表した。歴史的価値がある公文書として明治時代などの他の公文書と共に、近く国立公文書館(東京都千代田区)に移管する。傷みが激しいため修復され、公開される見通し。原本は4㌻の冊子。旧文部省で保管していたが、1923年の関東大震災で庁舎が全焼し、金庫内にあった原本も全体が黒く変色した。
教育勅語の正式名は「教育ニ関スル勅語」で、父母への孝行や夫婦の和など12の徳目を記している。各地の小学校などに謄本がくばられ、その後の軍国主義教育に使われた。1948年に衆参両院が「排除」「失効」を決議した。