弥生期の銅剣柄飾りの土製鋳型 国内初確認 福岡
福岡県春日市教育委員会は7月25日、弥生時代の銅剣につける把頭飾(はとうしょく)柄(つか)飾りを作ったとみられる土製の鋳型が同県春日市の須玖(すぐ)タカウタ遺跡で見つかったと発表した。国内初の確認で、日本列島で金属器生産が始まった当初から、独自の高い鋳造技術を持っていたことを示すものという。
鋳型は長さ3.5㌢、幅2.6㌢、厚さ2.7㌢。弥生時代中期前半(紀元前2世紀ごろ)のもので、建物跡から見つかった。土でできており、青銅を流し込んで製品を鋳造したとみられる。
弥生時代の銅剣は権威の象徴で、朝鮮半島に由来を持つ。把頭飾は柄の先端を飾る部品で、石製と青銅製があり、青銅製は鋳型で製作した。老の原型と土の鋳型を使ったと想定されてきたが、これまで鋳型の確認例はなかった。それが今回の出土で初めて証明された。