平安時代の最大級の有力貴族の邸宅跡発見 京都市
京都市埋蔵文化研究所は8月3日、同市中京区で平安京の遺構としては最大級の邸宅跡が見つかったと発表した。同研究所では当時の有力貴族の邸宅で、平安時代前期の840年ごろまでに建てられたとみている。
今回発掘されたのは柱を直接地面に埋め込む「掘立(ほったて)柱建物」など4棟の遺構。最大のものは東西約21㍍、南北約9㍍。使用人が寝泊まりや食事の準備をした「御厨(みくりや)」とみられる跡も見つかった。また、周囲からは当時の高級品だった緑釉(りょくゆう)陶器や灰釉(かいゆう)陶器が出土している。
建物の所有者は不明だが、天皇の平安宮(大内裏)から南西約800㍍と近く、敷地が1町(約120㍍)四方に及ぶことから、都に数人程度しかいなかった大納言など大臣級の三位以上の官位を持つ貴族に絞られるという。