平城京跡で出土の木簡に「皇」「太子」の文字
奈良文化財研究所 の調査によると、奈良市の平城京跡で出土した木簡の削りくず2点に「皇」「太子」と読める文字があることが分かった。2点は同じ木簡の表面を削ったとみられ「皇太子」と記す木簡が見つかったのは初めて。
出土場所は、聖武天皇の母方の祖父、藤原不比等(659~720年)の邸宅跡に近く、皇太子とは即位前の聖武天皇を指すとみられる。2点は不比等邸跡に創建された法華寺南側の溝から2014年に出土。1点は長さ約5㌢、幅約2㌢で「皇」の一部などが残る。もう1点は長さ約2.5㌢、幅1㌢「太子」の文字の一部があった。2点は木目が酷似し、同一の木簡にひと続きで「皇太子」と書かれていた可能性が高いという。当時、木簡は表面を削って再利用していた。
同じ溝からは「養老七年」(723年)や「神亀元年」(724年)の年号、従者を指す「舎人(とねり)」の文字などを記した木簡も出土している。