川崎汽船(本社:東京都千代田区)と国立大学法人 東京海洋大学(本部:東京都港区)は10月1日、海洋プラスチックの共同研究を開始することに合意し、共同研究契約を締結したと発表した。
東京海洋大学は、マイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック片)を含む海洋プラスチックごみの浮遊量を世界中の海で調査するなど、この分野で研究をリードしてきた。この共同研究を通じて、世界中の多くの海域を航行する川崎汽船の運航船をプラスチック片のサンプル採取にに活用することで、海洋プラスチックごみ研究が一層活発化することが期待される。
プラスチックごみは、世界各地で毎年約800万トンが陸上から海洋中に流出しているといわれており、生態系を含めた海洋環境の悪化や海岸機能の低下、船舶航行の障害、漁業や観光への影響など、様々な問題を引き起こすとともに、魚介類を通しての人体への影響も懸念され、世界的な環境問題となっている。また、海洋プラスチックごみは95%以上が陸上由来のごみといわれており、陸上側ではプラスチックごみを出さない努力や、法制化といった社会的な取り組みが進められている。しかし、大洋中を漂うこうした海洋プラスチックごみを、大きなエネルギーを費やすことなく回収する方法として確立されたものはまだない。