岩手で旧制中学の「ミライの賢治」描いた直筆ノート
岩手県出身の童話作家、宮沢賢治(1896~1933年)と交流のあった旧制中学時代の先輩の実家から見つかったノートが、筆跡の鑑定の結果、賢治の直筆のものだったことが分かった。地元研究グループの「矢巾町 宮沢賢治を語る会」が発表した。
ノートは2001年、賢治の1学年先輩で、同県矢巾町にある藤原健次郎さんの実家の蔵で発見された。計算式や英文のほか、「ミライの賢治」と書かれた落書きがあり、オルガンを弾いたり、勲章を付けた軍人姿の賢治が描かれている。また、「南無妙法」との書き記しもあり、賢治がこの時期から仏教思想を意識していたことをうかがわせる。藤原さんと賢治は学校の宿舎が同室で、一緒に山に登るなど、親交が深かったという。