奈良・纒向遺跡で出土の板状の石は「すずり」

古代、邪馬台国の有力な候補地とされる奈良県桜井市の纒向遺跡で6年前に見つかった板状の石は「硯(すずり)」とみられることが分かった。この石は縦およそ11cm、横およそ7cm、厚さおよそ1cmの板状に加工されたもの。ただ、その用途は不明だった。このほど國學院大学の柳田康雄客員教授の調べで、弥生時代のすずりに似ていることや、中央部がやや窪んでいることなどからすずりと判断した。当時、中国との交易には文書のやり取りが必要で、この際に使われたものと結論付けた。
纒向遺跡は3~4世紀にかけての大規模な集落跡で、女王・卑弥呼が治めた邪馬台国の有力な候補地とされている。

前に戻る