十返舎一九 直筆の礼状 長野・安曇野市で見つかる
長野県安曇野市教育委員会によると、江戸時代、弥次さん喜多さんの珍道中を描いた作品「東海道中膝栗毛」で知られる作者、十返舎一九(1765~1831年)が知人に宛てた自筆とみられる書状が見つかった。
1814年ごろ、一九は安曇野市を訪れ、「東海道中膝栗毛」の続編の執筆に向けた取材をしていた。書状は宿泊場所を提供した藤森家当主の善兵衛に宛てたもので、世話になった感謝の思いが綴られている。書状には、ペンネームの十返舎ではなく、本姓を用いた「重田一九」と署名が入り、「御馳走に相成り誠にもって御礼筆紙に申し尽くし難く候」などと記されている。