井伊直弼が側近や家臣に宛てた手紙18通を展示 心情綴るものも

江戸・幕末期、大老となり、14代将軍をめぐり南紀派と一橋派の対立時の一橋派への弾圧および最終決断や、「安政の大獄」の首謀者とも目される彦根藩主・井伊直弼が、側近や家臣などに宛てた貴重な手紙を集めた企画展が、滋賀県彦根市の彦根城博物館で開かれている。7月16日まで。今回展示されているのは、国の重要文化財に指定されている「彦根藩井伊家文書」などに残された、およそ300通の中から選ばれた自筆の手紙18通。後に側近となる国文学者、長野義言(主膳)に宛てた手紙は、長さ2mを超えた長文で初対面から3夜連続で語り合った喜びが綴られている。また、兄の直亮が急死し、思いがけず藩主の座に就くことになった際、当時江戸にいた  直弼が親しい家臣に送った手紙には「言語に絶する」「残念の至り」などの兄の死を悼む心情が記されている。このほか、病気の家臣を「養生が大事」などと気遣う手紙も残されている。      安政の大獄で、橋本左内、吉田松陰、頼三樹三郎など数多くの英才を斬首した”鬼”のような印象の強い井伊直弼の、親しい間柄の人たちに宛てた手紙には心優しい、人間味あふれた側面も持ち合わせた人物像がうかがわれる。

  

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