三菱電機が鉄道車両向け空調機器の製造過程で、35年にわたり出荷前に必要な検査を怠ったり架空のデータを記入していたことが発覚した。同社は「安全性に問題はない」としているが、詳しい社内調査や顧客への説明に着手した。
空調機器は長崎製作所(所在地:長崎県時津町)で製造し、JRや私鉄など全国の鉄道会社に納入されていた。不正は少なくとも1985年から続いていたもよう。社内調査は現在使われている数百件以上が対象になるとみられる。
同社は今年6月中旬に不正を把握。実態を確認するため社内調査を始めていた。検査の不備が疑われる空調機器の出荷をすでに停止し、JRなど一部の納入先へ説明するとともに、経済産業省にも報告している。