藤沢周平の草稿700枚 未発表作見つかる
武家社会でも、薄給の下級武士や、町人をはじめ市井の庶民の生きざまを情感豊かに描いた作品を数多く残した作家、藤沢周平さん(1927~97年)が文壇デビュー前に執筆した、初期作品の草稿約700枚が見つかった。
これらの中には文学賞に応募した未発表作、直木賞受賞作「暗殺の年輪」の草稿、「又蔵の火」の原型などもある。欄外に吹き出しで文章を付け足したり、二重線を引いて書き直したりして推敲を重ねた跡があった。出身地の山形県鶴岡市立藤沢周平記念館で一部を公開しており、同館は「藤沢さんの創作意欲を物語る貴重な資料だ」と話している。
藤沢さんの長女が昨年10月ごろ、同館の企画展に出す資料の整理中に見つけた。