江戸時代の高級陶磁器片が多数出土 新京都府警建設現場
京都府教育委員会によると、幕末、徳川幕府が京都の治安警護のため設置した京都守護職上屋敷跡が出土した京都市上京区の新京都府警建設現場から、江戸時代初期の豪商の存在を裏付けるような高級陶磁器片が多数出土した。ベトナムや中国からの輸入品も含まれている。
出土したのは美濃焼の志野茶碗、や向付(むこうづけ)皿、口部分が不規則に湾曲した唐津の沓茶碗、天目茶碗のほか、ベトナムや中国の陶磁器や茶陶など、いずれも17世紀の江戸時代初期の高級品・珍品ばかり。
この周辺では、これまでも高級陶磁器が出土していたことから、高級品を取り扱う店が並んでいたと想定され、18世紀には火災で屋敷を失った京都屈指の茶屋家が現在の中京区から移り住んだ場所としても知られる。
約2600平方㍍の調査地の西寄りの、南北に連なる形で掘られた一辺2.5㍍~5㍍のゴミ捨て穴から出土した。壊れるなどして捨てられたとみられる。