大阪府南河内郡太子町の発掘調査によると、国の史跡「二子塚古墳」の古墳の造り方や構造の一部が明らかになった。東側の墳丘で大きな石を積み上げて石室の入り口を塞いでいた様子や、石室につながる墓道が長さ4.4mであることが判明した。太子町では古墳時代の終わりごろの築造方法が分かる貴重な成果としている。
二子塚古墳は四角い墳丘を2つつなげた全国的にも珍しい双方墳の古墳。墳丘長:東西約66m、南北約26m。7世紀後半に造られたとみられている。石室が盗掘を受け、中にある石の棺が露わとなっており、太子町が5年前から発掘調査を続けてきた。
二子塚古墳は、聖徳太子や推古天皇など飛鳥時代に活躍した人物が多く祀られている「磯長谷古墳群」の一つ。
移動ロボット活用した住宅への自動配送実証実験の動き相次ぐ
小型の移動ロボットを使った、医薬品・食料品・日用品などを住宅(家庭)へ届ける自動配送実証実験の動きが相次いでいる。
パナソニックは、調剤薬局大手のアインホールディングスとともに3月5日から、神奈川県藤沢市の住宅街の公道で医薬品の自動配送の実証実験を始めた。小型移動ロボットが薬局から医薬品を搭載し、時速4kmまでの低速走行で住宅まで届ける。利用者はオンライン診療を受けた後、このロボットで処方薬が配送される。利便性はもちろんだが、コロナ禍で求められる人との接触を減らすことにつながる。パナソニックはこの実証実験を3月26日まで行ったうえで来年度中にサービスを始める計画。
小型ロボット活用の自動配送実験を巡っては、石油元売り最大手のENEOSホールディングスと自動運転技術を開発するベンチャー企業ZMPなどがガソリンスタンドから食料品や日用品を住宅まで運ぶ実証実験を2月に実施。小型ロボット活用の自動配送の実用化を目指した動きが活発になっている。
武田薬品 米モデルナ製コロナワクチンの製造販売を承認申請
武田薬品工業は3月5日、米バイオ企業モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンの製造販売について、厚生労働省に承認申請したと発表した。日本国内での承認申請は米ファイザー、英アストラゼネカに続き3例目。承認は5月以降の見通しで、6月までに2,000万人(4,000万回)分の供給をめざす。
神戸製鋼と三浦工業 資本業務提携で基本合意 汎用圧縮機事業軸
KOBELCOグループとミウラグループは3月5日、汎用圧縮機事業に関する資本業務提携に向けて具体的検討を進めることで、基本合意書を締結すると発表した。三浦工業が、コベルコグループのコベルコ・コンプレッサの株式を取得し、合弁会社化する。
コベルコ・コンプレッサが手掛けている汎用圧縮機事業は日本国内およびアジア地域で高いシェアを持ち、あらゆる産業へ高品質な圧縮空気を安定供給している。
JFEエンジ シンガポールでバイオコークス使用実証事業に着手
JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)、近畿大学(本部所在地:大阪府東大阪市)と南洋理工大学(所在地:シンガポール、以下、NTU)の3社は3月3日、廃棄物焼却炉のシャフト式ガス化溶融炉の燃料として、バイオコークスを利用する実証事業に5月より着手すると発表した。
この実証事業は、シンガポール環境庁が公募した補助事業で採択されたもので、3者はごみの溶融処理に要する燃料の一部にバイオコークスを使用する実証試験を、NTUが所有するJFEシャフト式ガス化溶融炉で行う。今回の実証事業を通してエネルギーの地産地消実現と、未利用バイオマスを有効活用した廃棄物処理技術の確立を目指し、循環型社会の形成に貢献していく。
バイオコークス、近畿大学の井田民男教授の研究チームが開発した次世代バイオ・リサイクル燃料。各種のバイオマスを原料として利用できるほか、CO2削減に寄与する燃料として注目を集めている。
日本製鉄 50年までに「ゼロ・カーボン・スチール」実現めざす
鉄鋼大手の日本製鉄は3月5日、中長期経営計画の中で二酸化炭素の排出量を抑えた製造方法で生産する「ゼロ・カーボン・スチール」を2050年までに実現し、実質ゼロにする目標を発表した。CO2の排出量を大幅に抑えることができる水素製鉄法の導入を目指すほか、排出ガスの少ない電炉の活用を広げる。