富岡製糸場 国内18件目の世界遺産へ 6月に正式決定
日本が世界文化遺産に推薦していた「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県富岡市など)について文化庁は4月26日、世界遺産への登録の可否を調査する「国際記念物遺跡会議(イコモス・本部パリ)が「登録が妥当」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告したと発表した。6月にカタールの首都ドーハで開かれる第38回ユネスコ世界遺産委員会で正式決定する。
「富岡製糸場」が正式に登録されれば、日本の世界文化遺産は2013年の「富士山」に次いで14件目。世界自然遺産も含めた世界遺産では国内18件目となる。近代産業遺産では国内初。富岡製糸場は政府がつくった日本初の官営製糸工場で、1872年(明治5年)に開業、その後、民間に払い下げられ、1987年まで稼働した。
富岡製糸場と絹産業遺産群は富岡製糸場を中心に、半径40㌔以内にある養蚕関連施設の、近代養蚕農家の原形「田島弥平旧宅」(伊勢崎市)、国内標準の養蚕法を確立した「高山社(たかやましゃ)跡」(藤岡市)、冷風を利用した蚕の卵の貯蔵施設「荒船風穴(あらふねふうけつ)」(下仁田町)の計4施設で構成。