仏にすがった貴族の遺構 平安京跡で「持仏堂」
京都市埋蔵文化財研究所は8月14日、京都市南区の平安京跡から、平安時代末期(12世紀末)の貴族邸宅の持仏堂とみられる遺構を確認したと発表した。平安京跡で遺構が確認されたのは2例目。
平安京左京九条二坊十六町跡(南区西九条北ノ内町)で見つかった持仏堂の遺構は、南北約9.2㍍、東西約8.3㍍のほぼ正方形。遺構の中央東側部分の地表を掘り、こぶし大の河原石をびっしり敷き詰め地盤を強化していた。仏像そのものは見つかっていないが、同研究所では地盤を強化して重量のある仏像を安置する基壇とした可能性が高いとみている。
末法思想が流布していた当時、極楽往生を願った貴族の間で邸宅内に、阿弥陀仏を安置する持仏堂を建てることが流行した。このことは文献上でも少なくとも数十件単位で確認できるという。