高市首相は衆院定数を巡り、比例代表を削減する法案を今国会中にまとめるよう自民党側に指示したという。党本部で6月4日開かれた選挙制度改革本部総会で鈴木幹事長が明らかにした。しかし同本部は同日、「比例代表45議席削減する案」の了承を見送った。むろん、それが妥当だろう。たとえ、高市氏の指示であろうと。
衆院定数を巡っては、自民党内には異論が根強く、法案成立を警戒する声が渦巻いている。「本来、選挙制度改革と一体で論議すべき」と主張する野党には、比例代表だけを取り上げたこの削減法案には、もっと、もっと厳しい反対論がある。いや、それ以前に「そもそも諸外国と比べて議員数は本当に多いのか?」との根源的な疑問を発する党もあるのだ。
岩屋前外相は会合後、記者団に「自民党は独裁政党ではない。総裁1人で決められる話ではない」 と批判。議員定数の問題で、党内の議論に先立って首相が方針を示した手法に疑問を投げかけた。
そうした状況を顧みず、高市氏はなぜ強引に、連立を組む日本維新の会に歩み寄るのか?維新との連立合意書に盛り込んだ①衆院の定数削減②副首都構想ーーの国会における本格議論が行われていないことへの反省の側面が込められているともいえる。維新の吉村代表が早急な成立を望むとのコメントを繰り返している思いに応える姿勢を示したものだ。
だが、維新が高市氏の首班指名直前の”どさくさ”に紛れて、連立合意書に意図的に盛り込んだこれらの政策は、決して幅広い層の議論や意見をもとに練り上げられたものではないのだ。一部の偏った集団の意見にすぎないと言っておこう。
定数削減は大阪府議会、大阪市議会で実施した、ローカルな事例にすぎない。また、副首都構想は維新が大阪を意識した、大阪のための政策に過ぎない。そもそも首都圏も近畿圏も巨大南海トラフ級の地震が発生したら、両地域とも同程度の被害に見舞われるリスクがあるのだ。大阪を副首都にという発想自体が間違っているのだ。
政権政党のトップだからこそ、連立を組む相手を尊重、重視するなら、本質的な議論を丁寧に時間をかけて議論を重ね、成案を得る粘り強い姿勢で誘導することが重要なのではないか。今のやり方でゴリ押ししては、結果として党内に高市氏および連立相手の維新への不満、批判者を増やすだけだろう。
「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産へ, 登録勧告
文化庁は6月6日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、イコモスが、奈良県中部の遺跡群「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」を世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。勧告では、選考基準である「文化的伝統や文明を伝承する物証として無二、少なくとも稀有な存在」といった基準を満たすと評価した。
韓国・釜山で7月19〜29日開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に登録が決まる見通し。登録されれば、国内の世界遺産は文化22、自然5の計27件となる。
飛鳥・藤原の宮都は、6世紀末〜8世紀初頭の19の資産で構成される。中心となる資産は「大化の改新」の舞台となった飛鳥宮跡(所在地:奈良県明日香村)と、その後に造営された日本初の本格的都城「藤原京」の中心だった藤原宮跡(同奈良県橿原市)。710年、元明女帝が平城京に遷都するまで政治や文化の中心地だった。
ネアンデルタール人 歯の治療は現生人類以上
ロシア科学アカデミー考古学・民俗学研究所の研究チームが、最近シベリアの洞窟で発見された5万9,000年前のネアンデルタール人の臼歯にあけられた奇妙な穴を詳しく調べたところ、ネアンデルタール人が痛む歯を治療する器用さを持っていたことが明らかになった。
彼らは、石器で歯に穴をあけ、化膿(かのう)した歯髄を慎重に取り除いていたことをうかがわせた。こうした先史時代の処置は、現生人類が虫歯を治療した最古の証拠よりも約4万年も古い。この論文は5月13日付で学術誌「PLOS One」に掲載された。
私たち現生人類(ホモ・サピエンス)は、ネアンデルタール人を思考ではなく、本能で行動する、棍棒を振るう野蛮な穴居人として表現することが多い。しかし、近年明らかになった事例をみると、約4万年前の更新世後期に絶滅したネアンデルタール人が、芸術的な表現をし、死者を追悼する知的な生きものだったことを示唆しているーーと記している。
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トランプ氏肖像の250ドル紙幣 ”全く理解不能”
国際法や秩序・ルール無視で、ヤりたい放題のトランプ米大統領の肖像の250ドル紙幣が今、米財務省で建国250周年の記念紙幣として発行する方向で計画が進められているという。ベッセント財務長官が5月28日、記者会見で「建国250周年の記念紙幣に現職の大統領を描くことに不適切な点はないと思う」と新紙幣の発行計画を認めた。
米国という国がよくわからない。全く理解できない。紙幣の肖像画に採用されるとなると、成し遂げた業績や功績など、社会的に一般の人から見て、少なくともリスペクトに値する人物を想像してしまう。
トランプ氏はこれらとは真逆にある人だ。建国250年、この間、今日の米国の礎を築き上げた政治家、事業家はたくさんいただろう。その結果トランプ氏が登場する前までに世界の秩序・ルールづくりを担った、米国トップの政治家の評価を、トランプ氏は一人で破壊し尽くした人物ともいえよう。
そんな人物の新紙幣を建国250周年の記念に発行するという。輝かしい自国の過去を貶(おとし)め、臆面もなく愚弄する以外の何物でもない。恥の上塗りではないか。米国民の神経が分からない。
食品消費税減税「1%かゼロか」6月中に判断か
高市首相は、食品にかかる消費税減税を6月中に判断するという。衆院選で公約した通り2年間にわたり「ゼロ」とする案に加え、レジなどの準備期間が短縮できる「1%」の2案が選択肢とされる。政府内には早期実施を優先すべきとの意見があり、ぎりぎりまで世論を注視し、瀬踏みするはずだ。
首相は当初、超党派で構成する「社会保障国民会議」に議論を委ねる意向を示していた。だが、同会議では減税への慎重論が目立った。このため、首相自ら判断を下さざるを得なくなった。自らが掲げた選挙公約をどこまで忠実に実施するのか?
実施時期についても、選挙時は2026年度中(2027年3月末までに)としていたが、高市首相は現時点では「できるだけ早く」としかコメントしていない。
主婦層や若い世代を中心に支持率が高い高市政権だが、消費者への具体的な物価高騰対策として成し遂げたものはまだほとんどないのだ。
それだけに「食品の消費税を2年間にわたりゼロとする」選挙公約の実現は極めて”重い”決断になる。きちんとした、説得力のある説明がなければ、過去の歴代内閣と同様の”軽い”公約に過ぎなかったことになる。
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自民議員の8割超加盟の「国力研究会」とは?
自民党の新たな議員連盟「国力研究会」が5月21日、初会合を開いた。麻生副総裁が主導し、高市首相(党総裁)を支える旗印を掲げ、自民党の衆参両院議員417人のうち8割超が加わった。
これは派閥や研究グループでもない。自民党内では”高市一強”といわれる今、これに異論を唱える有力議員はいない。なのに、ここで何をしようというのか?
そこで野党に対し、自民党の”一枚岩”を見せつけて、戦意を喪失させ、高市政権が提起する政策に”異を唱えさせない”とでもいうのか。国力研究会旗揚げの意図・目的が、全くわからない。
今回の初会合にはグラス駐日米大使を招いた。国会内で「トランプ大統領・高市首相による日米黄金時代のビジョン」をテーマに講演を催した。
関税政策の失敗、イラン軍事作戦の失敗など数え上げればきりがない”失策続き”のトランプ米政権が、11月の中間選挙で敗れれば、一気に求心力を失うことは必定だ。また、その可能性は極めて大きいと言わざるを得ない。そのとき、”盤石”だったはずの高市政権は一気に信頼を失い、身動きが取れなくなる可能性が大きく浮上する。そんな危うさがある。
恐竜絶滅起こした小惑星衝突の痕跡 北海道で発見
東北大学、東京大学、福井県立大学などの研究チームは、約6,600万年前の白亜紀末にメキシコでユカタン半島付近で起きた小惑星衝突の衝突時に似た痕跡を示す地層を北海道東部の浦幌町をを流れる川流布(かわるっぷ)川の支流上流で発見したと発表した。地層が含む金属成分や微生物の化石などを詳しく分析し、白亜紀末を示すK/Pg境界層の一部であることを突き止めた。
小惑星衝突の痕跡が、科学的な証拠を伴って日本国内で見つかるのは初めて。これらの共同研究の成果は、科学誌「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント」に掲載された。
白亜紀末、小惑星の衝突により恐竜などの生物が大量に絶滅したとされている。小惑星に多く含まれたイリジウムやオスミウムなどの金属元素が地球全体に広く降り積もった。
今こそ超大国の拒否権に”制限”の本格論議を!
国連のグテレス事務総長が5月20日、日本記者クラブで記者会見し、機能不全との批判がある国連安全保障理事会の改革を巡り、「理事国を増やすことが絶対的に不可欠だ」と主張した。また、安保理の理事国にアフリカ、南半球国がいないことを念頭に「発展途上国により大きな発言権を与える必要がある」と強調した。
しかし、今の国連に対する機能不全批判の”元凶”は他にある。グテレス氏は「多国間主義が危機なのではなく、自分たちで紛争を起こし、拒否権を用いて免責される超大国の振る舞いこそが、(国連の)危機的状況なのだ」と批判している。
そこで言いたいのは、国連の抜本的改革の”本丸”は大国の常任理事国がが保有する拒否権に”メス”を入れることだ。このことはすべての当事国はじめ国連関係者らが、十分認識していながら、いや認識しいるからこそ手を付けられない案件なのだろう。とくに当事国ならば、自ら手放すマネはしないだろう。
それほどに、極めて難しいことだが、これしかない。まずは拒否権に”制限”を加えることしかないのではないか。当事国が拒否権を発動したら、それで終わりではなく、例えば出席・参加国の3分の2以上の支持があれば、拒否権を発動できなくするとか、拒否権に制限を加える方法は様々にあるはずだ。
ロシア(ウクライナ侵略)、中国(人権問題)、米国(イラン問題など)などトラブルを抱える国々は、自他ともに大国を自認するならば、自国の利益第一に凝り固まらず、公平な”目線”で判断すべきだろう。それこそが国連のあるべき姿だろう。
大国の横暴には全くチェックの目を向けず、多くの発展途上・新興国の動向だけが監視の対象では不公平極まりない。大国は拒否権が得難い既得権などと考えず、今こそ自戒を込めて、国連改革の本丸=拒否権に制限を、自分たちこそ改革に立ちふさがる悪しき壁になっていることを思い知るべきだ。でなければ、永遠に国連の改革などおぼつかない。
米中首脳会談 米劣勢が浮き彫り, 余裕の習氏
9年ぶりの中国・北京における、トランプ米大統領と習近平国家主席との米中首脳会談が終わった。事前の予想とは違い、結果は米劣勢のパワーバランスが浮き彫りになった。両国は「建設的戦略安定関係」に引き上げたが、トランプ政権が11月の中間選挙を控え、成果を上げ、点数を稼ぐ思惑や”もくろみ”が見事に外れた。具体的には①」年間170億ドル相当の大豆など農産物購入②ボーイング航空機200機購入ーーなどにとどまった。航空機購入は、当初500機と伝えられていたが、ふたを開けたら半分以下に減っていたというわけだ。
会見では、余裕綽々(しゃくしゃく)の習氏に対し、どんな場面でも通常、勝手気ままに振る舞い、場違いと思われるほど”大言壮語”するトランプ氏が、借りてきた猫のようにおとなしく、気難しい表情で対応していた姿が際立った。いつもはどんな場面でも言いたい放題の”トランプ節”が完全に影を潜めていた。
習氏が台湾問題、トランプ氏がイラン情勢の事態改善をメイン議題に据えた。だが、習氏は台湾問題を「適切に処理しなければ米中が対立、衝突し、深刻な局面に陥る可能性がある」とトランプ氏に警告した。そのうえで、米国が台湾に武器売却することを強く牽制した。また、イラン情勢を巡りトランプ氏が習氏に要請こそしなかったが、心の内で強く望んだ、イランとの友好関係のある中国に、事態改善への関与や働きかけの、協力については全く得られなかった。
旧人 石器使い虫歯治療していた 5万9,000年前
ロシアなどの研究チームが5月13日、米科学誌プロスワンに、旧人ネアンデルタール人が小型の石器を使って虫歯を治療していたとみられる化石を見つけたと発表した。歯は約5万9,000年前のもので、同チームは本格的な虫歯治療を施した最古の事例だとしている。
歯は下顎の奥歯で、ロシア・南シベリアのアルタイ山脈にある洞窟で発見。性別は不明の成人のもの。歯髄に届くほどの深い穴が開いていた。偶然できた損傷ではなく、治療によって意図的に施されたものだとチームは分析した。そして、治療後もこの人物は長期間生存したとみられるという。
チームは、虫歯治療にあたって「痛みの原因を診断し、適切な石器を選ぶ必要があった」と指摘。ネアンデルタール人が「洗練された認知能力を持っていたことを示している」としている。
水素からナフサ生産する技術は貢献できるか
川崎重工業は5月12日、決算説明会で、世界的な原油調達難を受け、取っておきの天然ガス由来の水素からナフサ(粗製ガソリン)を生産する独自技術のアピールを始めた。橋本康彦社長は「水素を使ってガソリンやナフサをつくれると知らない人がまだ多い。いろいろな方に紹介し、期待を寄せられている」と話した。
ナフサは原油から製造するのが一般的だ。だが、中東情勢の悪化でホルムズ海峡の事実上の封鎖が続き価格が急上昇し、先行きが見通せない。この長期的な原油調達難で産業界だけでなく、一般生活者の暮らしにも大きな影を落としている。
同社の独自技術で、天然ガス由来の水素などを活用すれば、経済安全保障に貢献できるはずだ。同社は天然ガス由来の水素などからガソリンを製造するプラントをトルクメニスタンで納入した実績があるという。この種の商業プラントは世界でも珍しい。
認知症高齢者の保有資産が”凍結”リスク
認知症高齢者の増加が加速する中、これらの人たちが保有する資産も増加している。一方で成年後見制度や信託などの備えが一向に進んでいない。そこで大きな問題となるのが、これらの保有資産の凍結リスクだ。
有力シンクタンクの試算によると、認知症者および軽度認知障害者を含めた人たちの保有資産は2030年に500兆円を上回るという。認知症の症状が重くなると銀行口座などが凍結となり、事前にそうした事態を見据えた対策や備えがなければ、治療に充てる資金を引き出せないといったリスクが高まる。
それだけに本人の意思を尊重した早めの準備が欠かせない。現実に成年後見センターには、「親が認知症になったが、本人の預金が口座からおろせず、医療費が払えない」といった相談が増え続けている。対策は”待ったなし”だ。認知症者および認知症予備軍の人たちはもちろんだが、認知症者を抱える多くの家族の、避けて通れない喫緊の問題だ。
中国で「寝そべり」投稿横行,問題の本質は?
中国でいま、インターネットで「もう頑張れないから寝そべる」「投げやりが最適解」などの無気力な若者を指す投稿が拡散している。こうした状況に中国の情報機関、国家安全省はSNSの公式アカウントで、これらは「反中勢力による世論工作だ」などと批判、若者に向け「信じてはいけない」と呼びかけている。
国家安全省の調査機関は、若者への発信について、「反中の海外勢力」が資金提供などで援助しているとし、「中国の若者が寝そべり、中国の発展が阻止されることを望んでいる」「意図的に不安を拡大させている」と批判、抑え込みに躍起だ。
中国では、学歴重視への圧力や厳しい就職競争を受け、精神的にも肉体的にも疲れた若者たちの間で、仕事や私生活を頑張らない「寝そべり」「あきらめ状態」などのネット用語が氾濫、横行している。若者への注意喚起には良いとしても、当局は今こそ当事者・若者目線で学歴重視、度を超えた就職競争にメスを入れ、本腰で対策を考える必要があるのではないか?それこそが最大の支援策であり、若者にやさしい国になるのではないか。
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戦闘終結への米・イラン交渉に行き詰まり感
米国とイランの戦闘終結へ向けた2度目の直接協議は、期待された仲介国パキスタンを通した外交的な接触は今後も続く見通しだが、米国、イラン両国の主張の隔たりは極めて大きい。ホルムズ海峡を巡る軍事的な緊張が続く中、交渉の先行きには行き詰まり感が漂っている。
イランのペゼシュキアン大統領は、米軍によるイラン船舶を対象とした海上封鎖に触れ、「圧力や脅威、海上封鎖がある限り、交渉には入らない」と明言。一方、米国も強硬姿勢を崩していない。トランプ大統領は戦闘が終結するまで海上封鎖を継続する考えを示している。
ただ、対立が続く一方、トランプ氏は4月25日、米代表団の派遣中止を決定した直後、イラン側から「新たな優れた提案」が示されたことを明らかにした。2度目の直接協議は実現しなかったが、水面下では条件闘争が繰り広げられていることが示唆された。
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トランプ氏の支持離れ加速 対イラン作戦で
トランプ米大統領の対イラン軍事作戦を巡る言動が支持離れに拍車をかけている。強引な政権運営や物価高などを背景に支持率が低迷。11月の中間選挙を見据え、こうした局面打開と支持率回復に向けて始動した軍事作戦だったが、その思惑は外れ、かえって反感を買い、戦闘の収束さえ見通せない状況に陥っている。
CBSテレビ系調査会社によると、トランプ大統領のイラン軍事作戦に対する不支持率は、米国民全世代で64%に上っている。しかも、若い世代では特に拒否反応が強く、不支持率は72%に達している。
米国民の間で反トランプ意識が充満する中、火に油を注いだ格好となったのが、今回の軍事作戦に批判的なローマ教皇レオ14世との対立だ。ちょっと信じがたいことだが、自身をイエス・キリストに見立てて発信したSNS投稿が波紋を広げた。このことが、同氏の岩盤とも言える、支持基盤のキリスト教福音派からも、神への「冒瀆(ぼうとく)だ」との反感を招いている。
国際法など関係ない、自分自身がルールだと豪語し、強引かつ手前勝手な運営を一向に改めようとしないトランプ氏の”大暴走”に、世界中が大迷惑している。
定数削減ありきの議論は邪道, 本筋の議論を!
異例の1月衆院解散で中断していた、衆院選挙制度に関する与野党協議会が議論を再開した。ただし、今回の議論、スタート時からおかしい。ピントがズレている。
与野党は立法府のあり方を熟慮し、衆院選挙制度の改革について論じ合うことが本筋であるべきなのだ。優先すべきは自民党・日本維新の会の、与党が打ち出している定数削減ではない。
自民党は衆院定数(465議席)の1割を削減する法案を今国会に提出する意向を示している。日本維新の会は45議席を削減すべきだと主張している。一方、野党の中道改革連合や国民民主党などは制度改革と一体で検討するよう求めている。
定数削減が唐突に議題となったのは、公明党が連立を離脱した後、請われて連立入りした維新が強く主張して、今の連立政権の合意に強引に盛り込んだのがきっかけだ。
ところで、衆議院の議員定数削減はそれほど差し迫った問題なのか?日本の国会議員数は今でも主要国と比べて少ない。それなのに削減して、国民の声がさらに国政に届きにくくなる状況をつくっていいのか?
維新が掲げる「身を切る改革」という、有権者に対して聞こえの良いキャッチフレーズに因われ、国政に携わる者として、本来の多様化する民意を集約して国政に反映させる国会議員の役割を決して軽視してはいけない。
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吉村氏はリーダーシップを勘違いしている
日本維新の会および地域政党・大阪維新の会代表、吉村洋文大阪府知事の運営手法に大きな問題がある。吉村氏はリーダーシップを勘違いしているのではないか。
自治体の首長でありながら、住民に寄り添うのではなく、住民の意思を全く無視し、自分自身の考え方を力で押し付けようとしているに過ぎない。唐突な任期半ばでの知事辞任、大阪市長とのダブル選挙など、ただただ無駄な経費を使ったことも含め、吉村氏がやっていることは、まさに”暴君”の所業だ。あってはならないことだ。真に府民に寄り添った姿勢を貫く気持ちがあるなら、もっともっと謙虚であれと言いたい。でなければ、早急に身を引くべきだ。
過去2度の住民投票で「NO」を突きつけられた、3度目の大阪都構想の賛否を問う手続きについても、吉村氏は大阪市議団には当初、全く事前の協議や根回しもないまま、”自分の世界に浸った”まま、対外的にアドバルーンを上げた。この動き方について市議団・議員から「時期尚早」や「やり方が強引」の声が挙がっても一向に耳を貸さず、一切無視だ。
同氏が今やっていることはすべて”独断専行”であって、大阪維新の会という組織内の意思疎通を全く蔑(ないがし)ろにしている。地方自治ではとりわけ求められ、重視しなければならないと思われる、民主主義のルール破りの連続だ。市議団は、いつまでもこの強引なやり方を改めようとしない吉村代表に対し、不信任を突きつけたらどうだろう。
首長として欠落している部分がまだある。本来の大阪府知事として早急にきちんと処理しなければならないはずの、大阪・関西万博の海外パビリオンの工事を請け負った事業者の工事代金未払問題だ。マスメディアがほとんど報道しなくなったことをいいことに放置したままだ。
少なくとも関係者に丁寧に問題解決の道筋を示し、現在どのような状況にある、といったことは明らかにすべきだろう。目立つパフォーマンスにのみ熱心な同氏には、こんな問題は眼中にないのだろうが…。
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ホルムズ海峡 開放はいつ?いぜん不透明
米国とイランの停戦合意が4月8日、即日発効した。これにより、ホルムズ海峡の全面開放にがぜん期待が高まったが、現場はまだ程遠い状況にある。イスラエルが、イランが支援するヒズボラの拠点を掃討するためとして、レバノンへの大規模攻撃を敢行したこともあり、イランが態度を一気に硬化させたためだ。
レバノンは、停戦合意の対象に入っていないと説明するイスラエル・米国と、当然対象だと主張するイラン側との間で、何故か認識に食い違いがある。
イラン側は「無許可で通航する船舶は破壊する」と警告している。同海峡を監視する主力部隊のイラン革命防衛隊のコメントだ。
トランプ米大統領の認識ではホルムズ海峡の開放が停戦の主要条件だったはずだが、現状はそのようになっていない。静かなままだ。かといって、安全が確保されないホルムズ海峡の通航を試みる無謀なタンカー、貨物船などの船舶はほとんどない。同海峡には現在、原油を積載した日本関係船舶42隻が停泊、完全開放となるのを船員ともども待っている。
4月11日からパキスタンの首都イスラマバードで行われる、戦闘終結に向けたイランと米国の協議は難航必至だ。停戦2週間内にホルムズ海峡の全面開放は果たして成るのか?全く不透明だ。
大阪府議会定数79→29に削減案 維新は本気か
地域政党・大阪維新の会の大阪府疑団のプロジェクトチームが4月3日、府議会の定数を現行の79から、何と50も大幅削減し、29に削減する案を取りまとめた。団内で近く協議し、合意すれば2027年春の統一地方選で公約に掲げ、2031年府議選での実施を目指す方針という。
しかし、これは維新が得意(?)の単なるパフォーマンスなのか、実現可能性があるとみての削減案なのかは全く分からない。ただ、これまで79人もの議員で対応してきたものを29人で担えるとしたら、根本的にシステムや仕組みを変えなくてはならないだろう。これだけの効率化が可能だとしたら、大阪府議会は「これまでどれだけ”だらけた”仕事ぶりだったのか」と指摘されることにもなろう。大阪府議会の大勢を占める維新の真価や本気度が試される。
府議団関係者によると、この削減案のベースにあるのは大阪府(約880万人)とほぼ同規模の人口を抱える、英国・ロンドンの中心市街地と近郊の区で構成する「グレーター・ロンドン(大ロンドン)」の議会を参考に削減幅を算出したという。グレーターロンドンの人口は984万人で、議員定数は25とされている。
旧派閥・政策グループ化加速 消された改革の”芽”
圧倒的な高市人気に支えられ、2月の衆院選で過去最多の議席を獲得し、衆参両院合わせ国会議員400人を超える大所帯となった自民党内でいま、時間を巻き戻すように、旧派閥や政策グループの活動が勢いを増している。このことは何を意味するのか?有権者の”想い”とかけ離れて行くことにならないのか。
派閥の領袖同士の談合で、政権トップが決められる政治力学の根本的見直しをはじめ、石破政権時まで、自民党内ではトップ・総裁の”顔”だけ、「表紙を変える」対応の、民意とはかけ離れた自民党政治の限界、そこで「解党的出直し」が声高に叫ばれた。とはいえ、実際にはそうした方向での党内改革が実施されることはなかったが…。
旧二階派で事務総長を務めた武田良太・元総務相は新たな政策グループ「総合安全保障研究会」を発足させ、4月2日、国会内で初会合を開いた。高市首相に近い政策グループも活動を加速させている。約150人が参加する「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は2日、国会内で勉強会を開き、高市政権の経済政策などで議論を交わした。
麻生派や旧茂木派も継続的に会合を開き結束を維持している。多数派を構成することで党内の勢力基盤拡大を図るためだ。
グループ化は政策への理解や深化を含め、影響力を高めるなどの利点がある一方、「カネと人事で求心力を保つ派閥政治」の復活をイメージさせる側面もある。かつての悪夢のような前近代的な”派閥政治”の復活を許してはならない。
欧州などと同様、日本も自民党1党ではなく、右派・中道・左派の様々な政党結成による多党化により、今後は柔軟な組み合わせによる連立政権が主流になるのではないかとの指摘があった。記憶に新しい、わずか2カ月余り前のことだ。それが異常な高市人気で、そうした”芽”が一気にかき消されてしまった。果たして、これで良かったのか。
水上勉 新人作家時 全集未収録原稿4編確認
吉村氏は即刻撤回せよ!パワハラ前市局長の起用
大阪府は4月1日、職員へのパワーハラスメント(パワハラ)があったとして懲戒処分を受けた大阪市の前経済戦略局長・岡本圭司氏(68)に、府の特別参与を委嘱した。特別参与は非常勤で、委嘱期間は1年。
吉村大阪府知事はこの起用を即時撤回すべきだ。でなければ、吉村氏はこの岡本氏に何かよほどの”借り”があるのか、弱みでもあるのかと勘ぐられても仕方あるまい。それほど、吉村氏の周辺にアドバイスをもらうような人材がいないのか。
岡本氏は市経済戦略局長時、職員に対し、「顔も見たくない」と声を荒げたり、無視したりする言動があり、市の第三者機関、公正職務審査委員会は3月16日、岡本氏の言動計26件をパワハラ行為と認定。市は同30日に減給10分の1(6カ月)の懲戒処分としている。ただ、この処分、適用されることなく、任期満了で退職した。
府の処遇について市幹部は「市の減給処分は重い。そういう人を雇うのはどういう考えなのだろうか」と疑問を投げかけている。
最近の吉村氏は様々なことに奇異な”独断専行”や専横ぶりが多すぎる。先の衆院選に合わせた任期半ばでの退任、所属の大阪維新の会・所属議員のほぼ全員の反対を押し切っての府知事、市長のダブル選挙挙行など、自身の知事職の業務遂行や、代表としての担うべき丁寧な意見集約など役割を果たしていないのではないか。
国政の連立政権の一翼を担う日本維新の会代表だからーーの慢心があるのではないか。本来は連立のパートナーだからこそ、党名を汚すような行動をこそ、厳に慎まねばならないと思うのだが、吉村氏はそうではないらしい。
米有人月探査打ち上げ成功 約半世紀ぶり
米国航空宇宙局(NASA)は4月1日午後6時35分(日本時間2日午前7時35分)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから、月周回に向かう米国とカナダの飛行士4人が搭乗した宇宙船「オリオン」を打ち上げ、予定していた軌道への投入に成功した。人類初の月面着陸を果たした「アポロ計画」以来、約半世紀ぶりに人類が月を目指す。
米国主導で日本も参加する有人月探査「アルテミス計画」の第2弾にあたる今回の「アルテミス2」では、約10日間飛行し、月の裏側を回って地球に帰還する。
オリオンは2022年の「アルテミス1」で無人飛行に成功。今回は、月周辺の厳しい環境で、人を乗せた宇宙船や生命維持装置が設計通り作動するか検証する。2028年を目標とする有人月面着陸につなげる。その後、日本人飛行士が月に降り立つ予定も組まれている。
イスラエル 核施設を空爆 停戦の糸口失う
イランとの停戦に向けた、トランプ米大統領の出口戦略に齟齬を来しかねない不測の事態が、また起こった。これではようやくイランとの協議の、見えかかっていた糸口が、またもなくなってしまったのではないか。
イスラエル軍は3月27日、イラン西武アラクの重水炉と中部ヤブドのウラン抽出施設を空爆したと発表した。南部のブシェール原子力発電所や各地の電力関連施設への攻撃も確認された。これに対し、イランの革命防衛隊はイスラエルや近隣諸国にある米軍基地を報復攻撃した。米国側は、攻撃中止を10日間延長するはずだったのに、イスラエルとの間で統制の不備が露呈した形だ。
トランプ氏は26日、イランの発電所やエネルギー施設への攻撃中止を10日間中止すると表明していた。これを見る限り、トランプ氏は、イスラエルのネタニヤフ首相との間で、明らかにきちんと戦力上のすり合わせができていないと言わざるを得ない。あるいはトランプ氏がネタニヤフ氏の”暴走”をコントロールできていない。
この点、イランのアラグチ外相は27日、「米大統領の期限設定と矛盾する」とSNSに投稿している。
イラン戦闘終結へ 米15条件, イラン5条件
イラン戦闘終結に向けて、米国はイランに対し15項目、イランは米国に対し5項目の条件をそれぞれ提示した。だが、これを見る限り、相互に本当に終戦の意思があるのか?と疑われるような、これまでの経緯から、お互いがいずれも絶対に譲れないと思われるような、ハードルの高い項目が複数含まれている。
米国がイランに対し提示したのは①イランの核施設の解体②ホルムズ海峡の封鎖解除③親イラン武装組織への支援停止ーーなど15項目。一方、イランが米国に提示したのは①侵略や暗殺行為の完全停止②戦闘再開を防ぐ仕組みの確立③賠償金支払いの保証④親イラン武装組織を含む地域全体の戦線での戦闘終結⑤ホルムぞ海峡で主権を行使する権利の承認ーーの5項目。
無論、この協議は第1段階で、これから協議を重ねて絞り込んでいくことになるのだろうが、現時点では、これが出口戦略の第一弾になるとは、とても思えない。決裂必至で、協議の行方は極めて不透明だ。
大阪市内のシカ捕獲 県外へ出たら保護対象外
奈良県・奈良公園からきたとみられた”迷いジカ”(鹿)の大阪市街地での”放浪紀行(?)”が3月25日決着した。およそ3週間ぐらいか?の放浪に疲れたか、奈良公園で人馴れしているからか、シカは大阪市内の迷い込んだ警察施設でおとなしく、誘導されるまま自らの意思でオリの中に入り、捕獲された。このシカは大阪市内の施設での受け入れが決まったという。
大阪市の市街地に一頭のシカが現れた。大阪市都島区内で目撃した人から最初に110番に通報があったのは3月22日午前。区内の公園で草木を食べるなどしていた。大阪府警などによると、シカは24日に都島区内の団地などにいたが、夕方には旭区に移動したという。同じ個体かどうかは分からないが、市内では鶴見区や城東区でもシカが目撃されていた。
シカの目撃情報は11日以降、大阪府下の東大阪市内で相次いでいたが、大阪市に移動してきたとみられた。
奈良公園のシカが増えすぎて、エサを求めて園外へ出たとの見方が有力だった。このことから、大阪市は奈良県と協議するとしていた。奈良県の山下知事は25日、対応を検討したが、奈良市内ではシカは国の天然記念物だが、奈良公園・奈良県外へ出たシカは、もはや保護の対象にはならないというのが結論で、奈良県へ戻すことはできない旨、横山市長および吉村知事に文書で回答したーーと語っていた。
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飛鳥・甘樫丘で官僚邸宅か 天武・持統朝の塀跡
奈良県明日香村教育委員会は3月18日、同村の甘樫丘(あまかしのおか)遺跡群で、7世紀後半に造られたとみられる塀跡が見つかったと発表した。今回見つかったのは1辺約1.2mの方形の柱穴5カ所。昨年度の調査結果分も合わせると南北15m以上、東西7.2m以上の敷地を区画する塀があったとみられる。
専門家は律令国家の成立を目指していた天武・持統両天皇の時期の甘樫丘は官僚層の住宅施設があった可能性を指摘する。また、ここは有力豪族らの政争の場でもあった。
「日本書紀」によると、飛鳥時代前半の有力豪族で、天皇を凌ぐほどの権勢を誇った蘇我蝦夷(えみし)と息子の入鹿(いるか)が甘樫丘に邸宅を築いているが、中大兄皇子、中臣鎌足(後の藤原鎌足)らによる645年の「乙巳(いっし)の変」で、その豪壮な邸宅は焼き払われたとされる。
日米首脳会談で残されたホルムズ海峡 具体策
高市首相は3月19日(日本時間20日)、トランプ米大統領との会談など一連の訪米日程を終えて、政府専用機で21日、帰国した。
トランプ氏との会談は冒頭、友好的かつ穏やかな雰囲気でやり取りが交わされ、緊迫化する中東情勢、世界の政治家、有識者らが注目する中、非常に微妙な時期での首脳会談だったが、日本の立場で言えば成功裏に終わったーーと見る向きが多い。。
ただ、今回の会談の主な要点の一つ、イランにより事実上封鎖されているホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた、日本の対応策の検討が積み残された。高市氏は当初、トランプ氏が日本などに求めたホルムズ海峡への艦船派遣については、法的にできることと、できないことがあることを言明、理解を求めた。
これに対し、トランプ氏からはそれ以上、具体的な言及はなかったが、事態の早期沈静化のため、原油輸入の全体の90%以上を中東に依存する日本の立場を踏まえ行動するよう促された。難しい”宿題”が残された。
今後、トランプ氏は出口戦略を探る中、アジアを始めとする世界のエネルギーの安全保障を巡り、同盟国、日本にも新たな役割を具体的に求めてくる可能性がある。
その際、法的にぎりぎりどのような役割、作業まで果たせるのかを徹底して考え、シミュレーションしておくことが必要だろう。そして、そうした内容を変化する中東情勢を見据え、いつ、どの時点で表明するかも重要だ。
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出口戦略めぐり米, イスラエルに温度差
イラン戦争の出口戦略を巡り、仕掛けた米国・トランプ大統領、イスラエル・ネタニヤフ首相の両氏に温度差が見えてきた。
ネタニヤフ氏はイランの体制転換を掲げ戦争継続を主張する。これに対し、トランプ氏は11月の中間選挙を控え、長期化は避けたいというのが本音。そもそも今回のイラン軍事作戦は、複数の訴訟案件を抱えるなど課題山積の国内情勢から国民の目を逸らせ、中間選挙を控え点数稼ぎのはずだったのだ。
このイラン軍事作戦、米国民の支持率が30数%に対して、不支持率40数%に上り、戦禍の長期化にはより否定的だ。したがって、体制転換などの当初の思惑には全くこだわらず、撤収の機会をうかがう。もうネタニヤフ氏に引きずり込まれることなく、一定の区切りがついた時点で、作戦の”終了”を宣言するシナリオという。トランプ氏の現在の心境は、それなりの”大義”達成を装って、できるだけ早期の収束の機会を模索する。
イラン モジタバ師は革命防衛隊の”操り人形”か
イラン戦争の主要な争点の一つとなってきたホルムズ海峡の封鎖について、同国の新しい最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師が「戦争の圧力の手段として、封鎖を継続する」との声明を初めて公表し、徹底抗戦する意思を表明した。だが、一向にその姿を表さない。
この事情について、①モジタバ師は米国、イスラエルの空爆により負傷し、容姿も損なわれているのではないか②今やイランの主要な軍事部隊として約19万人を擁している「革命防衛隊」が同国を主導、モジタバ師の名前を使い、声明を出しているのではないかーーとの見方さえある。すなわち、モジタバ師は革命防衛隊の”操り人形”状態にあるというのだ。
こうした様々な憶測が飛び交うのは、同国の宗教指導者として、初代・ホメイニ師、二代・ハメネイ師の域には達していないことから、威厳を持って国民の前に出で演説する形は取れないということなのか。
いずれにしても、今のままではイラン国民ですら、誰が指揮を取っているのか分からなくなっている。元々、ハメネイ師の次男だけに、モジタバ師と革命防衛隊とは親密な関係にあり、いずれか一方が支配する関係ではないのかも知れない。だが、国民の立場からは国の最高指導者の顔がはっきりと見えないことがどこか不安で、国を挙げて徹底抗戦、とのまとまりを欠く要因になっているのではないか?
東大寺二月堂・修二会”籠松明” 火の粉 夜空舞う
事態収拾遠のくイランの新最高指導者選出
イランの「専門家会議」(聖職者88人で構成)は3月8日、イランの新しい最高指導者に、故ハメネイ師の次男で対米強硬派、モジタバ・ハメネイ師(56)を選出した。国営イラン放送などイランメディアが9日未明、一斉に報じた。
ただ、これがイラン国内や、今回の戦端を開いた米国、イスラエルなどにスムーズに受け入れられるかは不透明で、極めて疑問だ。というのも、①今年に入ってイラン全国で激しい反政府デモが繰り広げられ、当局の武力鎮圧により数千人の死者が出ている②米国とイスラエルはイランの体制転換を公言している。
ところが、専門家会議が選出した後継指導者は、今回の緊急事態を収拾に向かわせるものとはかけ離れたものだ。従来の内政・外交路線を堅持することの決意表明とも取れる。
これらのことを考え合わせると、新指導者がハメネイ体制の継承者にすぎないと目される人物では、理解や納得感が全く得られず、少なくとも事態の早期沈静化にはつながらず、新たな”火種”になる可能性さえある。
天武朝 中央官庁跡か 飛鳥・石神遺跡で塀跡
中東諸国から早急な在留邦人退避・退去を
米国とイスラエルによるイラン攻撃、そしてイランによる報復攻撃で戦火が湾岸の周辺諸国へ拡大している。軍事施設だけではない。民間人が往来する様々な施設も戦禍に巻き込まれる可能性が大きくなっている。そこで、まず早急に検討されなければいけないのが同地域に居住する邦人の退避・退去だ。
米国務省は3月2日、中東地域の15カ国・地域に滞在する米国民に直ちに退避するよう勧告した。イランによる報復攻撃に備えるものだ。イランによるドローン(無人機)攻撃を受けてサウジアラビアとクウェートの2つの米大使館はすでに閉鎖された。
米国務省の中東地域に滞在する米国民への退避勧告は、トランプ政権が予定する大規模攻撃を始める前の差し迫った警告の可能性がある。
日本政府も、これに呼応して在留邦人の早期退避・退去を促すべきではないのか。海外在留邦人調査統計によると、2025年10月現在、中東地域における在留邦人数はアラブ首長国連邦(UAE)5,300人、イスラエル1,010人、イラク99人、オマーン97人、カタール702人、クウェート142人、サウジアラビア718人、バーレーン188人、ヨルダン212人、トルコ1,754人で、このほかイランに約200人がいる。
現地の邦人居住者は不安な毎日を過ごしていることだろう。爆撃の激化で退避ルートがなくなってからでは遅い。犠牲者が出てからでは取り返しがつかない。
出口戦略不鮮明 イランの体制転換困難?
米国とイスラエルによるイラン攻撃による戦火は、アラブ湾岸諸国への報復攻撃で広がりをみせている中、イラン戦争の先行き、決着点がほとんど見えなくなってきた。
今回の軍事作戦の目標は、イランの①核開発、ミサイル開発の阻止②体制の転換、親米政権の樹立ーーなどが指摘されていた。このうち、トランプ米大統領が空爆初日に敢行したハメネイ師の爆殺後、今回の有力な攻撃目標の一つとして挙げていたイスラム宗教者を国の最高指導者に置く、イランにおける「イスラム体制の転換」を全く口にしなくなったからだ。これは当初、意図していた体制の転換が、イランにおける政治のあり方や官僚体制のあり方から極めて困難と判断したとみられ、にわかに出口戦略が不鮮明になったのだ。
とはいえトランプ氏は3月2日、ホワイトハウスでメディアを前に、イランでの軍事作戦について「4〜5週間を予測していたが、すべての目標が達成されるまで期限を設けず、継続する」姿勢を強調した。そして、「これから”大きな波(大規模作戦)”がくる」と攻撃の強化・拡大方針を明らかにした。
しかし、鮮やかな作戦のもと成功したベネズエラのマドゥロ大統領捕縛作戦とは違い、イランはハメネイ師殺害計画こそ成功したものの、イスラム社会の事情、イラン国民の心情は複雑で、目標の一つでもある、”親米政権誕生”の絵は容易に描けない。そこで不本意ながら、長期戦を覚悟しなければ…との思いが去来するのか?
11月の中間選挙を有利に運ぶために、米国におけるトランプ相互関税の還付、後手に回る物価高対策など内政不人気から国民の目を反らせるため、格好の材料としてイラン攻撃に取り組んだはずだった。
だが、この特別作戦、事前に議会などに全く諮っておらず、トランプ氏が独断専行したもの。したがって、米国では圧倒的に「支持しない」とする人が多い。その意味では、政権の人気を落とす結果となっている。
戦況も順調と強調しているが、当初の思惑通りには運べていないもようだ。イランの出方により変わってくるだろうが、トランプ氏はイラン戦争の実りある決着点を、果たして見出だせるのか?
東大寺二月堂のお水取り 練行衆の本行始まる
高市首相の「国民会議」とは”まやかし”
2月8日投開票された衆院選で、野党の求める減税政策との”争点外し”に使われ、自民党と高市内閣の物価高対策の一つとして掲げられた「2年間に限って食料品の消費税を”ゼロ”とする」ことを協議するはずだった「国民会議」が始動、2月26日、第1回目の会合が開かれた。
しかし、この国民会議、野党からはごく一部の党が参加するだけで、一般有権者が選挙期間中に受け止めた内容とは大きくかけ離れたものだった。幅広い党や関係者らが参加するものではなく、国民会議とは名ばかりの会合だった。選挙を前にしての”まやかし”だった。
国民会議に対する一般有権者の理解は、当然のことながら、与党はもちろん全野党が参加し、有識者や場合によっては税の専門家も含めて参加して行われるものと思われた。ところが、参加を呼びかけられた野党は中道改革連合、国民民主党、チームみらいの3党のみ。参政党、共産党、れいわ新選組などは排除されている。
このうち、国民民主党、中道改革連合は①この国民会議で、何を、いつ、どこまで協議するのか、②透明性重視の観点から協議・内容の議事録を残すのかなどが明確でないーーなどから出席したのはチームみらいだけだった。
今のままの、まやかしの国民会議なら要らないのではないか。政府・与党が幅広い人たちから、様々な意見を聞きたいのであれば、タウンミーティングを開けばいい。でなければ、新たに国民会議など設けず、国会で時間をかけて協議すればいいのだ。
自民党は歴史的大勝利から第1回目の会合まで3週間近くの時間があったわけだから、この期間に日本維新の会を合わせた与党内で今回の国民会議で協議すべき内容や、スケジュールを含めた論点整理など叩き案をつくればよかったのだ。
ただでさえ、年度末まで時間がないのだから、新年度予算の年度内成立を目指したいなら、選挙公約で掲げた以上、何を置いてもやるはずだと思う。だが、それを全くやらず、いわば国民会議に丸投げしているのは、本気ではなく、自民党内も1枚岩ではないということだ。
食料品だけとはいえ、2年間の消費税「ゼロ」に反対し、この公約を疑問視している議員もいるということで党内ではまとめにくい。そこで野党も会議に組み込んでおけば、有権者の手前、進捗が遅れても与党だけが有権者の非難を受けずに済むからだ。
衆院選でかつてない3分の2の議席を獲得した与党の、数の力と人気の高さを背景に、国会審議を軽視して強引にことを進めようとする姿勢には、高市内閣のずる賢い、横暴さが垣間見れる。

