衆院選とともに2月8日投開票された大阪府知事、市長のダブル選挙で、有権者の間でこの時期に”全く必然性のない選挙”と指摘されたことを反映して、無効票が異例の多さに上ったことがわかった。
28億円もの費用をかけ、大阪府政、大阪市政の職責をほぼ放棄し、職権を半ば私物化した、大阪維新の会の代表、吉村氏、副代表、横山氏が仕掛けた所業だった。今回のやり方は、どう考えても府民・市民の”怒り”を買ったことは間違いない。
その結果、知事選は前回の無効票の6.2倍の41万6,783票、市長選は3.1倍の17万620票に及んだ。大阪府民・市民にとっては必要性を感じない、いわば府民・市民の想いを無視した選挙だったことを浮き彫りにした。
今回のダブル選挙は、大阪維新の会が急遽、3度目の大阪都構想の住民投票を実施したいからと、党内部でも協議したことさえないまま、まさに吉村知事と横山市長の2人が暴走、ほぼ独断で進めた企みだった。
このため維新以外の主要政党は、ダブル選を「今やる大義が全くない」などとして、いずれも候補者の擁立を見送った。また、実施に伴って発生する28億円もの費用の無駄遣いが指摘されていた。
自民党勝たせすぎ?リスク潜む有権者の”甘さ”
衆院選で高市自民党が316議席を獲得、連立を組む日本維新の会の36議席と合わせ与党として352議席となった。自民党が、若い世代をはじめすべての年代で高い支持を集めたという。
ただ、これではあまりにも有権者の判断が、高市人気・ムードに流され過ぎていないか。もっと端的にいえば高市自民党に甘すぎないか。かつての自民党の、民意とはかけ離れた政策の”暴走”のリスクがあることを、覚悟して置かざるを得ない。
公示前は、高市人気に好意的な見方をしている人でも、そうはいっても”政治とカネ”の問題は、政治献金の処理を含め、何も決着していないし、果たしてこのままでいいのか?と指摘する人はいた。ところが、この結果だ。これなら参院で否決されても、今回3分の2以上の議席を獲得したことで、衆院で再可決すれば法案が通せるようになる。
これで自民党内では裏金議員らも「”禊(みそぎ)”は終わった」とばかり、野党との十分な協議や審議も行わず暴走する場面も出てくるに違いない。
一時は”解党的出直し”を掲げながら、実際には何も改革などに着手もしていない自民党に、表紙がこれまでとは違う女性の高市氏変わったとはいえ、ここまで勝たせては自民党に、どうぞお好きにと、”白紙委任状”を与えたに等しい。
今回の選挙では、高市内閣の高い支持率に乗じ、自民党は前回選挙では公認せず落選した裏金議員を救済すべく、旧統一協会とのつがりのあった、少々”グレー”がかった人も含め、すべて公認、大挙して候補者を擁立した。これが奏功し、一気に大幅な議席回復、いや歴史的勝利につながった。日本の有権者の民度や意識の低さに付け入った、高市自民党の作戦勝ちだった。
野党にとっては手も足も出ない今。驕り高ぶることのない、今後の”責任ある積極財政”を掲げる高市氏の政権運営の真の実力、生活者目線に立った政策や、法案の審議プロセスなどにその本気度が試される。注視したい。
”モームリ”破綻? 劣悪な職場ある限り業務は残る
退職代行サービス「モームリ」を運営するアルバトロス(本社:横浜市)の谷本社長とその妻が、退職希望者を弁護士に紹介し、報酬を受け取った弁護士法違反容疑で逮捕された。
アルバトロスは昨年10月にも家宅捜索を受けていた。元従業員によると、社長らは、このビジネスモデルの違法性を認識しながら、社員らに口止めしていた可能性があるという。
この業界は決してイメージが高くない。それでも、このサービスを必要とする人たちは確実に存在する。
退職代行を担う事業者にも悪徳業者がいれば、追い詰められた人を救う事業者もいる。当然のことながら、どんな事情があっても違法行為は許されない。だが、一方で劣悪な職場が亡くならない限り、このサービスは生き残り続けるのではないか。
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許されない!露 アフリカで”求人”戦闘員勧誘
ウクライナ侵略を続けるロシアが、戦闘員確保のため、貧困ににあえぐ国が多いアフリカで、”求人”を装って勧誘し、その後に強制入隊させ、戦地に送り込んでいる。ロシアにとって、そんな決して露わになってはいけない、そして決して許されない実態が明らかになった。まさに悪魔の所業だ。
貧困国をターゲットに、運転手などの出稼ぎと偽って渡航させ、入隊契約に署名させられ、強制的に参戦させる手口だという。すでにケニアからは200人以上が渡航したといわれるほか、タンザニア、ウガンダ、ナイジェリアなども狙いとされている。
ロシアはこれまで戦時体制に入ってから、海外で破格の高優遇条件で戦闘員募集をかけたりしてきたが、資金的にもそうした方法はもう取れなくなっているのだろう。昨年から北朝鮮兵士の戦闘員が加わり、大幅に強化されたはずだったが、それも消耗戦で費消してしまったか。
かといって、ウクライナ・ドンバス地方の領土拡大のためには、兵員確保は不可欠な要請。でなければ、何のためにこの戦争を仕掛けたのか?わからなくなる。米国を仲介役とする停戦協議・交渉を有利に運ぶためにも、兵員不足で戦闘行為に支障を来すような状況にあることは、決して他に覚らせない。そのための時間稼ぎの備えともいえる。
ウクライナでの戦争維持・継続のためとはいえ、こんなことが果たして許されるのか?
物価高対策のメインが消費税減税でいいのか?
衆院選で長引く物価高への対処策として、「チームみらい」を除き、自民党を含む主要政党が説得力ある代替財源を明示しないまま、消費税減税を打ち出している。高市首相(自民党総裁)は衆院選が表立って語られることがなかったときは、消費税減税には極めて慎重で、自ら触れることは全くといっていいほどなかった。ところが、おそらく自身が解散を決断してからだろう。
野党のほとんどが消費税減税や消費税廃止を物価高対策のメインに掲げたこともその要因だろうが、対抗して「2年間に限り食料品の消費税ゼロ」を打ち出した。そして、いまや高市氏自身が消費税減税へ”前のめり”な姿勢だ。これが今回の限られた選挙期間に、多くの有権者には最も伝わりやすいメッセージだと判断したからに他ならない。そんな様子に制度設計や財源も見通せていないだけに、政府・自民党内から懸念の声が出ているほど。
ところで、物価高対策として消費税減税が政策として本当に的を射ているのか?そうではないだろう。物価高への正しい処方箋は、企業活動で生産性と収益力を高め、高い賃上げを実現することのはずだ。したがって、ずばりいえば消費税減税は物価高対策の本筋ではないはずだ。
この論拠は①消費税は日本の場合、医療、介護、年金など社会保障の基幹財源である②減税により需要を増やすことは物価を押し上げる要因になる③投資家に財政健全化が後退したと受け止められれば円安を一層加速させる懸念があるーーなどのためだ。
とはいえ、2024年、2025年と2年連続で5%を上回る高い賃上げを実現したにもかかわらず、長引く物価高には追いつかず、実質賃金はマイナス基調のまま4年近くにもなる。今春闘は長いトンネルを抜け、実質賃金をプラスに転換させるべき局面だ。
大企業の業績はトランプ政権による高関税政策の悪影響をはねのけ、おおむね堅調だ。賃上げ余力は大きい。そこで、ポイントになる雇用の7割を占める中小企業に賃上げを波及させるため、原材料や人件費の上昇分を取引価格に円滑に反映=転嫁できるよう、政府の強力なサポートが求められる。それがなくては、中小企業はどこまで行っても救われない。

