2月8日投開票された衆院選で、野党の求める減税政策との”争点外し”に使われ、自民党と高市内閣の物価高対策の一つとして掲げられた「2年間に限って食料品の消費税を”ゼロ”とする」ことを協議するはずだった「国民会議」が始動、2月26日、第1回目の会合が開かれた。
しかし、この国民会議、野党からはごく一部の党が参加するだけで、一般有権者が選挙期間中に受け止めた内容とは大きくかけ離れたものだった。幅広い党や関係者らが参加するものではなく、国民会議とは名ばかりの会合だった。選挙を前にしての”まやかし”だった。
国民会議に対する一般有権者の理解は、当然のことながら、与党はもちろん全野党が参加し、有識者や場合によっては税の専門家も含めて参加して行われるものと思われた。ところが、参加を呼びかけられた野党は中道改革連合、国民民主党、チームみらいの3党のみ。参政党、共産党、れいわ新選組などは排除されている。
このうち、国民民主党、中道改革連合は①この国民会議で、何を、いつ、どこまで協議するのか、②透明性重視の観点から協議・内容の議事録を残すのかなどが明確でないーーなどから出席したのはチームみらいだけだった。
今のままの、まやかしの国民会議なら要らないのではないか。政府・与党が幅広い人たちから、様々な意見を聞きたいのであれば、タウンミーティングを開けばいい。でなければ、新たに国民会議など設けず、国会で時間をかけて協議すればいいのだ。
自民党は歴史的大勝利から第1回目の会合まで3週間近くの時間があったわけだから、この期間に日本維新の会を合わせた与党内で今回の国民会議で協議すべき内容や、スケジュールを含めた論点整理など叩き案をつくればよかったのだ。
ただでさえ、年度末まで時間がないのだから、新年度予算の年度内成立を目指したいなら、選挙公約で掲げた以上、何を置いてもやるはずだと思う。だが、それを全くやらず、いわば国民会議に丸投げしているのは、本気ではなく、自民党内も1枚岩ではないということだ。
食料品だけとはいえ、2年間の消費税「ゼロ」に反対し、この公約を疑問視している議員もいるということで党内ではまとめにくい。そこで野党も会議に組み込んでおけば、有権者の手前、進捗が遅れても与党だけが有権者の非難を受けずに済むからだ。
衆院選でかつてない3分の2の議席を獲得した与党の、数の力と人気の高さを背景に、国会審議を軽視して強引にことを進めようとする姿勢には、高市内閣のずる賢い、横暴さが垣間見れる。