遣欧使節派遣から交流400周年 イベントで仲深める

遣欧使節派遣から交流400周年 イベントで仲深める
 今から400年前、スペインの小さな漁村に降り立った日本人たちの足跡が、日本・スペイン両国交流の端緒となった。その子孫とされる人々は姓に「日本(ハポン)」を名乗り、今も同じ場所で暮らし日本との縁を大事にしている。
 江戸時代初期、仙台藩主・伊達政宗は家臣の支倉常長を大使とする大型使節団をスペイン国王やローマ法王のもとに派遣。使節団はメキシコなどを経由して出発からちょうど1年経った1614年10月、スペイン南西部セビリアからバスで40分ほどの小さな町・コリアデルリオに到着した。日本国内では、徳川家康が豊臣氏を滅ぼすべく最後の戦いを開始する「大坂冬の陣」のころのことだ。
 支倉らは想像を絶する苦労の末、スペイン国王やローマ法王らに謁見するなどして、1617年に日本に向かったが、長期滞在したことで、使節団の中には家族や生活基盤ができてしまい、帰国せずに現地に土着した日本人もいた。この人たちがコリアデルリオで、今もハポン姓を名乗る人たちの祖先になったと考えられる。
 日本・スペイン交流400周年をきっかけに多くのイベントが企画され、日本との関係は一段と深まっている。2013年6月には日本の皇太子さまがコリアデルリオを訪問、ハポン姓を持つ人たちと交流された。また、何人かのハポンさんは東日本大震災後、遠く離れた日本の被災地を訪れている。コリアデルリオでは、今も慰霊行事や慈善コンサートなどが開かれる。

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