江戸後期退位の光格天皇がじかに添削の和歌見つかる
江戸時代後期の200年前、最後に退位した光格天皇が添削したとみられる和歌が見つかった。教育研究機関「モラロジー研究所」(千葉県柏市)の分析によると、京都産業大学の所功名誉教授が今年3月、京都市内の古書店から入手した文書に記された和歌を添削したものが、光格天皇が門人の作品に手を入れた跡と分かった。
光格天皇は和歌に優れ、多くの門人を指導したとされる。今回見つかったのは門人、風早(かざはや)実秋が詠んだ和歌40首が記された文書。そこには墨で線が引かれていた。光格天皇が題を与え、実秋が2首ずつ詠んで差し出し、優れている方に天皇が線を入れた跡とみられるという。
天皇がじかに添削した和歌が見つかるのは極めて珍しいという。所氏は、宮廷文化である和歌を天皇が習得し、伝えてきたことが分かる貴重な史料-としている。