アルツハイマー新薬低所得者にも投与できる枠組み構築 エーザイ

製薬大手のエーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は6月9日、米FDA(食品医薬品局)の承認を得たアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、オンラインで記者会見した。
エーザイとの共同開発先の米製薬会社バイオジェンは、4週に1回の点滴投与による価格を、標準的な患者1人当たり年約610万円としていることで、供給価格が注目される。この点について、内藤氏は高い投薬費用を踏まえ、非政府組織(NGO)などと連携して低所得者にも投与できる枠組みを構築する考えを示した。また、中所得者向けの枠組みについては、保険会社と協業した保険商品の創出を例に挙げた。
新薬は、アルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ」を除去する働きがあり、根本治療になる可能性が期待されている。

厚労省 FDA承認の認知症新薬 年内にも国内承認の可否判断

厚生労働省は6月8日、米食品医薬品局(FDA)が承認し、日本でも審査中のアルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」について、年内にも承認の可否を判断する可能性があると明らかにした。アデュカヌマブは、米バイオジェンとエーザイが共同開発した、脳内にたまるアルツハイマー病の原因物質と目されるタンパク質「アミロイドβ」を除去し、症状の進行を遅らせる、あるいは抑制する効果がある新薬。

理研「毛包」ができる仕組み解明 再生医療への活用に期待

神戸市の理化学研究所は6月9日、毛をつくり出す「毛包」と呼ばれる器官が形づくられる仕組みについて、マウスの細胞を詳細に解析することで解明したと発表した。同研究所生命機能科学研究センターのグループは特殊な顕微鏡を使ってマウスの毛包ができていく様子を細胞単位で撮影し、解析した。
その結果、当初は平らな皮膚の上に4種類の細胞が同心円状に並んでいるが、それぞれの種類の細胞が段階的に皮膚の奥に成長していくことで、伸縮式の望遠鏡を伸ばすように筒状の毛包ができることが分かった。さらに同心円の中の1種類の細胞が、毛が生える際に重要な働きをする「毛包幹細胞」という特殊な細胞になることも初めて確認したという。

パナソニックなどホテル・フロント支援で「アバター」活用の実証実験

パナソニックとホテル事業のコンサルティング会社、SQUEEZE(スクイーズ)は6月9日、ホテルのフロント担当の代わりにモニターに人の分身、「アバター」が現れ接客するシステムの実証実験を実施すると発表した。新型コロナで苦境にあるホテル業の運営コスト削減につなげるのが狙い。
実証実験は東京都大田区のホテルで行う。アバターはコンピューターではなく、離れた場所から人が操作、対応する仕組み。宿泊客はアバターからルームキーの代わりとなる暗証番号を伝えられるため、鍵の受け渡しは必要ない。

キューピー6月下旬出荷分からドレッシング全品に再生プラ容器

キューピー(本社:東京都渋谷区)は6月7日、6月下旬出荷分から「キューピーテイスティドレッシング」シリーズ全5品に再生プラスチックを含む容器を採用すると発表した。採用するのは主に清涼飲料水用のペットボトルを回収後に粉砕、洗浄した後、高温下で一定時間処理し、汚染物質を除去することで高品質にする方法「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」で再生したプラスチック。
同社は2030年度にプラスチック排出量削減30%以上(2018年度比)の達成を目指し、容器の軽量化に加え、紙や再生プラスチックなどへの代替を推進する。

再生可能エネで水素を製造 東レ,東電など共同で試運転開始

東レ、東京電力ホールディングス、東光高岳、山梨県の4者は6月7日、再生可能エネルギーの電力でグリーン水素を製造し、化石燃料の利用を低減させるプロジェクト「H2-YES」でのP2G(パワー・ツー・ガス)システムの試運転を開始したと発表した。
今回の試運転は2021年秋ごろまでの予定で、水素の製造・貯蔵の試験調整を行いながら、山梨年内の工場やスーパーマーケットへ輸送して利用する一環システムの社会実証試験を全国に先駆けて実施するもの。