正岡子規の晩年の未発表5句見つかる 自画像2点も

正岡子規の晩年の未発表5句見つかる 自画像2点も

今年生誕150年を迎えた明治期の俳人・正岡子規(1867~1902年)が死の前年の正月に詠んだ俳句5句と、自画像2点などが載った冊子「歳旦帳(さいたんちょう)」が見つかった。いずれも全集などにも掲載されたことがない、未発表のものだ。
和綴じの32㌻の冊子(縦24㌢、横26㌢)で、子規と、河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)、伊藤左千夫ら弟子や友人13人が俳句や短歌、画をしたためている。正岡子規晩年の句風が分かる貴重な資料という。
子規は掲載されている8句のうち5句が新出。無署名だが筆跡や、それ以前にも似た句があることなどから、子規の句と判断された。子規の未発表句は、
寝後れて新年の鐘を聞きにけり
暗きより元朝(がんちょう)を騒く子供哉
うらうらと初日の影や枯木立
初夢や巨燵(こたつ)ふとんの暖まり
留守の戸に名刺投込む御慶かな
の5句。当時患っていた脊椎カリエスの病状はすでに重かったが、ふとんの中から感じ取った新年の朗らかな雰囲気が伝わってくるような作品だ。
このほか、前年の暮れに撮影された、有名な子規の横顔写真をもとに描いた自画像や、友人の画家・中村不折(ふせつ)が病床の子規を描いた画、伊藤左千夫の新出の短歌2首も載っている。
この歳旦帳は長い間不明で、今回「子規庵」(東京都台東区)を運営する子規庵保存会に数年前に寄託された個人の資料から見つかった

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