東日本大震災の被災旧家から戊辰戦争の文書見つかる
戊辰戦争(1868~69年)の際、仙台藩の村人が旧幕府勢力に宿や食料を提供したと記した文書が、東日本大震災の津波で浸水した宮城県石巻市長面地区の旧家から見つかったことが4月17日、分かった。解読した宮城学院女子大の平川新学長は、地域の村々が戊辰戦争にどう関わっていたのかを示す貴重な史料-と話している。
文書は仙台藩にあった尾崎浜(現石巻市)の代表者が残していた。子孫が住んでいた旧家は津波で1階が浸水したが、文書は神棚に保管されていて無事だった。表紙に「徳川様御人数旅宿御賄諸事入料並金代請払手控帳」とあり、1868年の記録だった。明治新政府への降伏を決めた仙台藩と交渉するため、尾崎浜にきた旧幕府勢力に、村人が宿や食料を提供したとみられ、米のほか、サケや豆腐、酒などが記されていた。