平城京 “想定外”の二条大路横断の溝出土
奈良文化財研究所はこのほど、平城宮跡(奈良市)の朱雀門南西から、奈良時代に平城京東西の主要道路「二条大路」を横断した排水溝とみられる遺構が出土したと発表した。二条大路の大路交差点以外を横断する溝は「想定外」といい、工夫された排水計画がうかがえるうえ、北側の宮内と関係した可能性もあるという。
二条大路は平城宮のすぐ南を通り、朱雀門前で京内南北のメーンストリート「朱雀大路」に接続する。過去の調査では幅約37㍍と確認されており、今回は二条大路南側の東西2カ所を調査した。
その結果、朱雀大路から約90㍍離れた西側調査区で、二条大路の南側溝が東西約18㍍にわたり出土。二条大路を横断する溝は、これに流れ込む形で南北の約8㍍を確認した。幅は3~3.8㍍で、深さ0.8㍍。一帯の土地は北から南へと緩やかに傾斜していた。
一方、東側調査区から二条大路南側溝と、朱雀大路西側の溝の接続部分が出土。朱雀大路西側溝は南北約18㍍にわたって見つかり、二条大路を横断していたことを再確認した。