定家と為家の直筆、俊成90歳祝賀の歌会記録 原本確認
平安時代末期~鎌倉時代初期の歌人、藤原俊成の90歳の祝いの歌会の様子を、息子で新古今和歌集編者の定家と、その息子の為家が記録した自筆原本が3月4日、東京都内で確認された。この記録の原本が表に出たのは初めて。定家・為家父子の肉筆画並ぶのは極めて珍しく、専門家は「重要文化財クラスの一級資料」と評価している。
歌会は建仁3年(1203年)、後鳥羽上皇が開いた。和紙5枚を繋いだ巻物で縦約30㌢、横約2.5㍍。江戸時代前期に表装されたとみられる。20首以上の歌を、歌人で能筆家としても知られる為家が記した。さらに末尾には定家が、参加者の名前と「若草」「納涼」「紅葉」「雪」などの歌題を加筆している。この歌会の記録は「俊成卿九十賀和歌」として複数の写本が伝わっている。