奈良県桜井市で国内最古の祭祀用の木製仮面見つかる
奈良県桜井市教育委員会は5月30日、同市の大福遺跡で2世紀後半の仮面と見られる木製品が見つかったと発表した。同市教委では木製仮面では国内最古といい、祭祀(さいし)に使用したとみられる。見つかった仮面はほぼ中央で割れており、残存部は長さ23.4㌢、厚さ5㍉。目を表す穴と、ひもを通したとみられる穴があった。
同遺跡やその周辺では、弥生時代の祭器である銅鐸(どうたく)を破砕して他の青銅器に再生した跡が見つかっている。いずれも弥生時代から古墳時代への移行期で、同市教委は祭祀などが移り変わる様子を物語る重要資料としている。国内では仮面は縄文時代の土面が知られているが、木製は大福、纏向(まきむく、3世紀前半)両遺跡の2点以降、7世紀のものまで見つかっていない。