奈良・談山神社で春の「蹴まり祭」
奈良県桜井市の談山神社で4月29日、古代の装束を身に着けて鞠(まり)を蹴り合う「蹴まり祭」が行われた。烏帽子(えぼし)や袴(はかま)装束の「蹴鞠保存会」のメンバー8人が輪になり、さながらサッカーのリフティング並みに、「アリ」「ヤ」「オウ」など独特の声をあげながら、右足の甲だけを使ってまりを蹴りあげるのが作法。訪れた人たちは周囲を遠巻きにして、高く蹴りあげられるまりを見ながら時々、歓声をあげていた。
蹴まり祭は、談山神社に祀られている藤原鎌足(当時は中臣鎌足)が蹴まりを通じて中大兄皇子と出会い、当時の政治を意のままにしていた蘇我氏(蝦夷・入鹿の親子)打倒に向けた、「大化の改新」の計画を練ったという故事にちなみ、毎年春と秋に行われている。