土井晩翠がローマから薄田泣菫に宛てた書簡発見

土井晩翠がローマから薄田泣菫に宛てた書簡発見

岡山県倉敷市は3月27日、「荒城の月」の作詞者として知られる土井晩翠(1871~1952年)が、イタリアのローマから倉敷市出身の詩人、薄田泣菫(1877~1945年)に宛てた書簡が見つかったと発表した。これは1903年ごろ、2枚の絵はがきとスミレの押し花を封筒に入れ、晩翠が留学していたローマから送ったもの。

「未だ御目にかからず候へとも一筆御免被下度」と始まることから、まだ面識がなかったが、尊敬する薄田に手紙を書いたとみられる。スミレの花は薄田が愛読した英国を代表する詩人ジョン・キーツの詩集で詠まれており、薄田のペンネームにも使われた。晩翠はキーツの墓のそばに咲いていたスミレを押し花にして送っていた。薄田の子孫が倉敷市に寄贈した書簡類から見つかった。

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