台湾沖の海底で「アジア第4の原人」化石見つかる
国立科学博物館などの国際チームは1月27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に、台湾沖の海底で新たな原人の化石が見つかったと発表した。北京原人などアジアの他の原人とは異なる特徴を持つ「第4の原人」と考えられ、古代の人類が各地で多様に進化していたことを示す発見として注目される。同チームによると、発見されたのは下あごの骨の右半分の化石。時期は不明だが、台湾本島と澎湖(ほうこ)諸島の間の海域で底引き網に引っかかり、地元収集家が保管していた。この海域では台湾が大陸と陸続きだったころに生息していたゾウの化石が大量に見つかっている。
今回見つかったあごの骨の幅は、75万~40万年前の北京原人の化石の平均よりも4㍉以上厚く、親知らずの一つ手前の第2大臼歯も一回り大きかった。80万年前のジャワ原人よりも大きい。進化に伴って歯やあごは小さくなるため、ジャワ原人、北京原人の子孫ではないと結論付けた。アジアではこれまで、ジャワ原人(120万~5万年前)、北京原人(75万~40万年前)、そして2003年にインドネシアで見つかった小型のフロレス原人(100万~数万年前)の三つの原人グループが知られている。