伊能忠敬の北海道図に新事実「間宮林蔵が測量」
江戸時代後期に伊能忠敬(1745~1818年)測量隊が作製した蝦夷地(現 北海道)国の完成版が、探検家・間宮林蔵(1780~1844年)が測量したデータを基に作られた可能性が高いことが8月18日、伊能忠敬研究会と関連団体「InoPediaをつくる会」の調査で分かった。
伊能は1800年に道南の松前から東海岸の厚岸あたりまでを測量、第1次測量図を作製したが、没するまで道内の他地域は未踏だった。このため、北海道全体を詳細に描いた完成版は、伊能の測量と弟子で同地を長期間調査した間宮の測量を合わせて作製したと考えられてきた。
しかし今回、国立公文書館・内閣文庫の第1次測量図と最終版の北海道図をコンピューターで重ね合わせたところ、双方の測量線がほぼ全域にわたってずれていることが分かった。このため、両会は間宮が、伊能が測量した地域を測量し直して完成版を作製したと結論付けた。