今こそ超大国の拒否権に”制限”の本格論議を!

国連のグテレス事務総長が5月20日、日本記者クラブで記者会見し、機能不全との批判がある国連安全保障理事会の改革を巡り、「理事国を増やすことが絶対的に不可欠だ」と主張した。また、安保理の理事国にアフリカ、南半球国がいないことを念頭に「発展途上国により大きな発言権を与える必要がある」と強調した。
しかし、今の国連に対する機能不全批判の”元凶”は他にある。グテレス氏は「多国間主義が危機なのではなく、自分たちで紛争を起こし、拒否権を用いて免責される超大国の振る舞いこそが、(国連の)危機的状況なのだ」と批判している。
そこで言いたいのは、国連の抜本的改革の”本丸”は大国の常任理事国がが保有する拒否権に”メス”を入れることだ。このことはすべての当事国はじめ国連関係者らが、十分認識していながら、いや認識しいるからこそ手を付けられない案件なのだろう。とくに当事国ならば、自ら手放すマネはしないだろう。
それほどに、極めて難しいことだが、これしかない。まずは拒否権に”制限”を加えることしかないのではないか。当事国が拒否権を発動したら、それで終わりではなく、例えば出席・参加国の3分の2以上の支持があれば、拒否権を発動できなくするとか、拒否権に制限を加える方法は様々にあるはずだ。
ロシア(ウクライナ侵略)、中国(人権問題)、米国(イラン問題など)などトラブルを抱える国々は、自他ともに大国を自認するならば、自国の利益第一に凝り固まらず、公平な”目線”で判断すべきだろう。それこそが国連のあるべき姿だろう。
大国の横暴には全くチェックの目を向けず、多くの発展途上・新興国の動向だけが監視の対象では不公平極まりない。大国は拒否権が得難い既得権などと考えず、今こそ自戒を込めて、国連改革の本丸=拒否権に制限を、自分たちこそ改革に立ちふさがる悪しき壁になっていることを思い知るべきだ。でなければ、永遠に国連の改革などおぼつかない。

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