マンモスの細胞核移植で反応確認 近畿大G
近畿大学などの研究グループはこのほど、9年前ロシア・サハ共和国の永久凍土の中から見つかった、いわば氷漬けのマンモスの細胞核をマウスの卵子に移植したところ、細胞分裂に向けた反応が始まり、マンモスの遺伝子が活動する力を保っていることを世界で初めて確認できたと発表した。
この研究グループは、和歌山県にある近畿大学の生物理工学部や先端技術総合研究所、ロシアの科学アカデミーなどでつくるチーム。9年前、永久凍土の中からおよそ2万8,000年前の姿をほぼとどめた状態で見つかり、「YUKA(ゆか)」と名付けられた子どものマンモスを使って、比較的状態の良い細胞から、遺伝子が入った細胞核を取り出し、マウスの卵子およそ40個に移植した。
その結果、およそ半分でマンモスの遺伝子が働いて特殊なたんぱく質が蓄積したほか、5つの卵子では細胞分裂の直前にみられる「紡すい体」と呼ばれる構造も観察されたという。
マンモスは象の仲間で、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで広く棲息していたが、およそ1万年前に絶滅したと考えられている。